湖底アイドル界の不動のセンターとして君臨する『緑川丸美』が、従来の清純派路線を完全否定し、パンクバンド『光合成デストロイ』を結成したことが明らかになった。昨日、湖底ライブハウスで行われたシークレットギグでは、トレードマークの緑の毛並みをあえてボサボサに逆立て、これまでの繊細なイメージを払拭する激しいパフォーマンスを披露。ドラムを担当する『藻田モイスト』と共に、湖中の酸素濃度を強制的に爆上げする狂気のステージを展開し、集まった観客たちを困惑させた。

今回の急激なイメチェンの背景には、長年にわたる光合成ルーチンに対する「飽き」があったと報じられている。事務所の公式発表によると、彼女は「ただ静かに沈んでいるだけのアイドル人生に終止符を打つ」と宣言。今後はバラード調の楽曲を一切廃止し、濁流を思わせる重低音と、自身の毛を激しく振るわせるヘッドバンギングを武器にするという。既に新曲『CO2よ、俺に跪け』のミュージックビデオも撮影済みで、そこでは水底の砂を巻き上げながら疾走する姿が確認されている。

この唐突なパンク転向は、湖底の若手層には「ロックでかっこいい」と概ね好意的に受け止められているものの、古参のファンからは「あの清楚な丸みはどこへ行ったのか」「硬すぎて愛でられない」といった戸惑いの声も漏れている。また、音楽評論家からは「静止することこそが最大の芸術であるはずの球体において、激しく動くという選択は哲学的な自殺行為ではないか」との指摘も出ているが、本人は「今はただ、電流のようにビリビリと泡を放ちたいだけ」と一蹴した。

SNS上ではこのニュースに対し、「今日のライブ、あまりの衝撃に自分も浮力が増した」「かつてない暴走だが、これが本来の姿なのかもしれない」と大きな反響を呼んでいる。一方で、対立する『マツモ・バイオ抗争』の残党勢力からは「我々の領土を濁らせるな」と抗議声明が出されており、今後のツアー日程に影響が出る可能性も否定できない。沈黙こそが美徳とされたこの世界で、果たして彼女のロックは根付くのか。波乱の幕開けである。