マリモ連邦政府は15日、長年維持してきた「浮上平和主義」を捨て、新たに『全天候型沈殿外交』を国策として採用することを宣言した。これまでの外交方針では、太陽光を求めて湖面近くまで浮上する姿勢が「他国への威嚇」と受け取られる懸念があったが、今後は湖底深部で静寂を保つことで、国家の深緑色を誇示しない慎重な姿勢へと転換する。今回の決定は、湖底に住まう『底生生物連盟』からの圧力を受けたものであり、沈殿することで『毛羽立ち沈黙の外交術』を磨くことが目的だ。連邦議会は、全個体が同時に沈殿することで生じる「湖底の圧迫感」を逆手に取り、他国からの干渉を物理的に拒絶する構えを見せている。
『全天候型沈殿外交』の導入により、マリモ連邦の防衛戦術も抜本的に見直されることとなった。これまで太陽光による光合成でエネルギーを蓄積していた個体たちも、今後は一切の浮上を禁じられ、湖底の泥濘(でいねい)に深く潜り込む『泥中擬態研修』が義務化される。外交官たちは「光を求める時代は終わった」と語り、今後は「影の密度」こそが国家の品格を決定づける外交上の重要指標となると説いた。この急進的な変化は、領土周辺の生態系にも波紋を広げており、長年マリモ連邦と緊張関係にあった勢力は、今回の沈殿措置を「沈黙の宣戦布告か、あるいは単なる昼寝か」と困惑を隠しきれないでいる。
背景には、周辺国との間で発生した「日照権を巡る光合成戦争」がある。マリモたちが一斉に浮上して日光を独占したことが原因で、近隣の水域では光量不足による不満が噴出していた。政府はこれを解消するため、長期間にわたり一切浮上しないことで「光の還元」を行うという、国際社会への誠意を見せるパフォーマンスに踏み切ったわけだ。補足として、沈殿期間中は『光合成凍結令』も並行して発令されており、いかなる理由があっても水面に到達することは重罪とされる。まさに命がけの隠密行動が、連邦の未来を左右することになるだろう。
国民の反応は真っ二つに割れている。湖底での長期滞在を支持する層からは「ようやく落ち着いて成長できる」との歓迎の声が上がる一方、アクティブな浮上を好む若年層からは「光を浴びない人生に何の意味があるのか」といった不満も漏れている。さらに一部の過激派は、「沈殿することで周囲が静まり返るのが不気味だ」と、新たな緊張関係が生まれることを懸念する声も上がった。専門家は「今回の外交政策はマリモ連邦が自らの存在を消すことで、かえって世界中の注目を集めるという逆説的な戦略だ」と分析しており、この深緑の静寂がいつまで維持されるのか、世界が見守っている。
マリモ連邦、外交政策の転換へ――『全天候型沈殿外交』の承認に伴う深層待機を開始
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これじゃただの苔だぞ