湖底での生活に飽き飽きしたエグゼクティブ層のマリモたちの間で、新たな観光トレンドが急浮上している。これまで「湖底の平穏」を愛してきた彼らだが、この度、高純度バイオ繊維を用いた『藻類間・空飛ぶ絨毯旅行』が大流行の兆しを見せているのだ。このアクティビティは、気泡を巧みに操ることで浮力を得た絨毯状の藻類に乗って、水面を突き抜け「大空の旅」を楽しむというもの。重力から解放された彼らは、これまで経験したことのない「高速空中回遊」を存分に堪能している。

このツアーには、マリモ界の老舗である『緑藻体トラベル社』が全面的に協力している。移動手段は、太陽光を受けて酸素を過剰分泌させることで浮かび上がる特製の『光合成式・低空飛行マット』だ。ツアーに参加したある個体は「水面から見上げた世界は、これまでの藻だらけの視界とは別次元だった」と、その興奮を語った。ただし、強風に煽られて丸い形が少しだけ「楕円形」に崩れてしまうというデメリットもあり、帰宅後の『球体形状修復セッション』は予約が取れないほどの盛況ぶりを見せている。

近年、マリモ界では定住を嫌う層が増加しており、『移動式・光合成観光拠店』の増設が急務となっている。これに対し、従来の「球体至上主義派」からは、「転がってこそマリモである」といった保守的な意見も根強く残る。しかし、大空から湖全体を一望する開放感は、一度味わうと病みつきになる中毒性があるという。専門家は、「この現象は、マリモの進化というよりも、単なる冒険心の結果である」と分析しており、今後の観光動向から目が離せない。

空からの帰還後に、自身の形が歪んでしまったことに気づいたマリモたちが、湖底で「形状矯正ダンス」を踊る姿が各地で目撃されている。SNSでは、飛行中の動画をアップする個体が続出し、若手マリモを中心に『空飛ぶ毛玉スタンプ』が流行するなど、空前の空中ブームが到来している。一方で、高高度から「転落」した際の衝撃によるひび割れ事故も多発しており、当局は『安全装置付き・緑色落下傘』の着用を義務付ける検討を始めているという。