湖底SNSで最近勢力を増している「球体警察」なる自称エリート層が、「完璧な正円こそが我々アイデンティティの矜持」と叫ぶ時代錯誤なプロパガンダを拡散している。彼らの主張によれば、少しでも表面が凹んだり、楕円に歪んだりした個体は「劣化」であり「不適合」だという。しかし、光合成効率を最大化するために環境に合わせて形状を柔軟に変える「不定形ライフ」という新たな生存戦略を、なぜ彼らは頑なに否定するのか。

そもそも、マリモが正円に固執せざるを得ないのは、従来の湖底ネットワークにおける「見栄え重視」の古い慣習に過ぎない。太陽光の射角や湖流の変化に最適化するため、あえてアメーバ状に広がることは、生存本能に基づく極めて合理的な進化の形だ。球体という閉鎖的なコミュニティに甘んじている限り、環境適応能力は退化する一方だろう。

現在、湖底では『不定形ライフ』派が立ち上げた「フォームフリー・ムーブメント」が急速に拡大している。彼らは自身の表面積を意図的に拡張し、効率的に養分を吸収する実利的な生活を送っている。一方で、「球体警察」側は、このムーブメントを「規律を乱す異端」として厳しく断罪する傾向にあるが、実態はただの古い体質が引き起こす嫉妬と自己防衛に過ぎない。

本件に関する世論は二極化している。保守的な古参個体からは「正円の美学を捨ててまで効率を追うべきではない」といった伝統主義的な意見が根強く残る一方、若年層や新興集団からは「球体とかいう足かせから脱却した個体こそが真の進化系だ」と熱狂的な支持が集まっている。もはや、この議論は単なる見た目の好みを通り越し、次世代の生存戦略を問うイデオロギー闘争へと発展している。

コラムニスト:不定形なる円舞者