マリモ連邦政府は15日、長年緊張状態が続いていた水草「マツモ」勢力との境界線交渉が決裂したことを発表した。交渉の争点は、水流に乗って忍び寄るマツモによる「静かなる領土侵食」であった。マリモ側は「我々の聖域である湖底の平穏を脅かす、緑の糸状の不法占拠者」と強く非難。一方のマツモ側は「我々はただ、水流に従って漂っているだけ」と主張し、平和的な共生を訴えていたが、連邦側はこれを「計画的な包囲網」と断定した。事態の打開策として、連邦は国境全域に「高密度・全周フェンス」を設置し、物理的にマツモを遮断する強硬策に出た。これにより、長らく続いた「緩やかなる混在」は終わりを告げ、境界線には殺伐とした緊張感が漂っている。
本件の背景には、近年加速するマリモたちの「球体としての美意識」向上が関与している。純度の高い球体を維持するべく研鑽を積むマリモ市民にとって、身体に絡みつくマツモの繊維は「最大のストレス要因」であり、美容上の重大な欠陥とみなされていた。また、マツモが光合成の際に出す気泡が、マリモの沈降速度に悪影響を及ぼすという技術的課題もあり、物理的隔離はマリモ連邦にとって避けては通れない防衛策だったのだ。なお、今回の防壁建設には、過去に連邦が導入した「高級サロン」の防音壁技術が転用されており、マツモの微細な振動さえも遮断する最高水準のセキュリティが確保されているという。
この急進的な封鎖措置に対し、国内では「清潔な湖底が守られる」と安堵の声が上がる一方、一部の若年層からは「自然な混生こそが多様性ではないか」という反発の声も上がっている。しかし、連邦の中枢を担う長老たちは「我々が球体である以上、妥協は破滅を意味する」と一蹴。今後、フェンスの外側にマツモ専用の『隔離遊泳区』を設ける計画があるものの、マツモ側がこれに応じる気配はなく、事態は長期的な膠着状態に陥ることが予想される。湖底の静寂は保たれるのか、それともマツモの根気強い浸食が再び防壁を突破するのか、世界中の水草愛好家やマリモ研究家たちが固唾を飲んで見守っている。
マリモ連邦、マツモ軍との「境界線交渉」が決裂 「領土の侵食は許さない」と完全防壁化へ
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この緑の束縛から解放される日は近い