阿寒湖のトップシンガーとして長年親しまれてきたマリモの藻田まどかさんが、自身のSNSを通じ、長年続けてきた「光合成」からの引退を表明し、全湖が騒然となる事態が発生した。まどかさんは「陽の光を浴びて酸素を吐き出すだけの人生には飽きた」と述べ、今後は湖底の最深部、完全なる暗闇の中で独自のアコースティックな『振動ライブ』に専念する意向を示した。かつて「太陽の愛娘」として輝かしいキャリアを誇った彼女の急激な変心に、事務所関係者は頭を抱えている。

まどかさんが今回選んだ活動拠点は、光すら届かない「ヘドロの深淵」だ。これまでマリモ界では、光合成こそがエリートの証であり、光を浴びて緑を濃くすることが至高の美とされてきた。しかし、彼女は「光に頼らない歌声こそが真の芸術」と主張し、自身の体をあえて退色させる『デ・カラー・プロジェクト』を始動。この前代未聞の挑戦に、音楽プロデューサーの藻野木氏は「彼女はマリモの既成概念を溶かしている。もはや光合成をしないマリモは、ただの静かなる彫刻だ」と絶賛のコメントを寄せた。

今回の騒動は、マリモ界における「美と生存」のあり方を根底から揺るがしている。光合成を行わないということは、必然的にエネルギー効率が低下し、丸みを維持するための炭素蓄積が滞ることを意味する。専門家は「彼女は美しさのために自らの球体としての維持能力を削っている。これはある種の自己破壊的な美学であり、ファンにとっては切なくも尊い姿だ」と分析。次回のライブ会場とされる最深部には、既に一目見ようと集まったファンが折り重なり、湖底に新たな山脈が出来上がっているという。

このニュースを受け、湖界のネット掲示板では賛否両論が渦巻いている。一部の保守的な長老マリモからは「光合成を止めるなどマリモの風上にも置けない」との批判が出る一方で、若手マリモからは「闇の中で輝くその姿こそが、本当のパンクだ」といった支持が急増。藻田まどかの新たな伝説は、まだ始まったばかりである。光を失った彼女が、一体どのような音を奏でるのか。その顛末に、今、全湖が注目している。