阿寒湖経済圏に新たな投機ブームが到来した。従来は「光合成サブスク」の利用料として流通していたマリモのエネルギー効率が、この度、独自のブロックチェーン技術と融合し、暗号資産『MARIMO(MRM)』として発行された。この通貨は、マリモが太陽光を浴びて酸素を生成する「光合成速度」をハッシュレートとしてマイニングを行う仕組みだ。快晴の日には発行量が増え、曇天時には難易度が調整されるという、世界初の「天候連動型・バイオマイニング」が投資家たちの熱視線を集めている。

本プロジェクトの背景には、これまで湖底経済の重荷となっていた「酸素貯蓄」の過剰在庫問題がある。開発元である湖底テック・ラボは、光合成で過剰に生産される酸素をトークン化することで、エネルギー効率の悪い個体を切り捨てることなく、持続可能な収益モデルを構築しようと試みた。しかし、一部の投機筋が強力なLED照明を湖底に持ち込み、強制的に光合成を加速させる「暴力的なマイニング」を強行したため、阿寒湖の夜が昼間のように明るいという光害問題が浮上。環境保護団体と投資家の間で、経済活動の是非を問う議論が泥沼化している。

この急激な経済変動に対し、湖底当局は「あまりに非自然的な高収率はバブルである」と警告を発した。しかし、市場では「MARIMOは緑のビットコインだ」との楽観論が支配的であり、いびき発電のインフラ株を売り払って光合成セクターに資金を移す動きが加速している。かつてのぬめり先物で大損した投資家たちが、一発逆転を狙って湖底に群がる姿は、まさに阿寒湖の新たな黄金時代……あるいは破滅へのカウントダウンのようである。

ネット掲示板では「今のうちに光合成株を仕込め」「深夜のLED点灯はマジでやめろ、マリモが不眠症になる」といった悲喜こもごもの反応が溢れている。当局は一時的な取引停止を検討しているが、ブロックチェーンで管理された湖底経済の自律分散性を止める術はなく、マリモたちは今日も黙々と、しかし猛烈な勢いで電子マネーを産み出し続けている。