湖底経済を長らく支えてきた「残留ぬめり」担保の先物取引が、ついに物理法則を無視した運用限界に達した。投資家らは、マリモの表面から採取した高純度ぬめりを塗布することで摩擦抵抗を限りなくゼロにする「摩擦ゼロ証券」を発行。これにより湖底の物流や回転速度は爆発的に向上したが、調子に乗った運用会社がマリモから「ぬめり」を根こそぎ搾取したことで、摩擦係数が逆に無限大まで急上昇。結果、全投資対象が湖底に焼き付き、一瞬にして資産が「ただの藻屑」へと霧散する事態となった。中央銀行は緊急会見で「潤滑油の枯渇は予想外だった」と釈明したが、市場の混乱は収まる気配がない。

今回の崩壊は、かつての『光合成休止』に連動した通貨「Q」の乱発や、過度な『遠心力先物』への傾倒が招いた複合的要因とされる。市場関係者の間では「ぬめり不足」による湖底の回転停止が危惧されており、金融当局は「最低限の保湿を維持する」という、経済政策としては異例の森林保護方針を発表した。なお、高利回りに釣られて全財産を投じた多くのプランクトンは、現在、湖底で「あおさ」以下の価値に格下げされている。

専門家によると、今回の暴落は単なる金融危機ではなく「マリモの生態系破壊」に直結しているという。以前導入された「夢遊先物」による負債が未だ燻る中、物理的な潤滑剤までもが枯渇したことで、湖底インフラは物理的に停止した。投資家たちは現在、手元に残った「乾燥したマリモの死骸」を必死に抱え、一縷の望みをかけて再加水による市場再建を求めている。湖底経済は今、かつてない乾燥と絶望の渦中にあると言えよう。

SNSでは「ぬめりがないなら、俺たちの涙で補えばいいのでは?」という狂気じみた提案がトレンド入りしたが、直後に「その涙すら塩分濃度が高すぎて逆効果」と論破されるなど、湖底住人の精神崩壊は深刻だ。「Q」の価値も暴落し、現在はどんぐりの背比べ状態。生き残ったマリモたちは、ただただ静かに光合成を再開する日を待っているが、その回転すらままならない現状をどう受け止めているのか、インタビューは叶わない。