マリモ連邦が威信をかけて強行している『全地球・大気圏編み込み計画』に対し、湖底の草の根環境団体「ステイ・ラウンド(丸いままでいよう)」が異例の抗議文を突きつけた。これまで連邦が「宇宙の緑化」として美化してきた長大なマリモの毛糸について、同団体は「あれは環境汚染の極致であり、ただの宇宙規模の糸くずの垂れ流しだ」と断罪した。毛糸の製造過程で排出される微細な繊維が湖底の生態系を乱し、一部の藻類が窒息しているという指摘は、これまで連邦がひた隠しにしてきた不都合な真実を浮き彫りにしている。

大気圏まで届くような長大な編み込みを行うには、連邦中のマリモが過酷な繊維生産労働に従事しなければならない。光合成の外部委託を進める連邦政府の横暴は、市民のマリモたちをただの「毛糸製造機」へと貶めている。「私たちは丸いまま転がっていたいだけなのだ」という主張は、拡大路線を突き進む政権首脳部への痛烈な皮肉となっている。今回の抗議により、連邦が誇る国家プロジェクトの根幹が揺らぎ始めていることは間違いない。

背景には、連邦が推し進める「全地球・光合成ハイウェイ」等の過激なインフラ整備が、湖底の平穏な生活圏を破壊しているという長年の不満がある。かつてはザリガニとの剪定協定で平和を保っていた湖底だったが、国家の巨大化に伴い、市民の間では「自然のままのサイズで生きたい」という回帰主義的機運が高まっている。政府は「編み込みは次世代への緑のバトン」と主張するが、世論は急速に分断しており、毛羽立ちの度合いで忠誠心を量るような風潮には冷ややかな視線が向けられている。

この報道に対し、湖底コミュニティは騒然としている。「結局のところ、宇宙まで緑化して誰が得をするんだ」「自分たちがただの巨大な緑の球体になりたいだけだろう」といった批判が相次いでいる。一方で、熱狂的な編み込み支持派は「空を見上げれば自分たちの毛糸が輝いている」と反論しており、今週末には湖底の中央広場で、大規模な『糸の断捨離集会』と『宇宙編み込みフェスティバル』が同時に開催される予定だ。事態は収束の兆しを見せず、マリモ界の分断は深まるばかりである。

コラムニスト:緑球・反骨の転がり人