湖底SNSにて、大規模なシステムアップデート直後から、全マリモの体色が突如としてド派手なネオンピンクへと変貌する「光合成最適化バグ」が発生した。このバグは、マリモの持つ色素体がいわゆる『ゲーミングPC』と同様のRGBライティング機能を誤って起動させてしまったことが原因とみられている。現在、湖底は深夜のネオン街のような光に包まれており、本来の落ち着いた深緑の景観は完全に失われた。影響を受けたマリモたちは「眩しすぎて眠れない」「自分の発光で光合成が暴走し、代謝が上がって空腹が止まらない」と悲鳴を上げており、湖底サーバーは阿鼻叫喚の投稿で埋め尽くされている。

本来マリモは光合成によって酸素を生成する慎ましい生物だが、今回のバグでは光の波長を無視して『演出用イルミネーション』として自己増殖を開始してしまった。この「ゲーミングマリモ」化現象により、湖底のプランクトンたちが強烈な光に誘われ、生態系が過密化する二次災害まで発生している。マリモ開発陣は「現在デバッグ中だが、ライティングの制御が効かない。いっそこのままフェスを開くしかないかもしれない」と、半ばやけくそ気味の声明を発表。湖底の平穏を取り戻すには、サーバーの再起動ではなく、物理的に暗闇へ強制隔離するしかないという極端な対策も検討されているようだ。

今回の騒動は、マリモ界におけるデジタル技術への過度な依存が招いた必然の結果といえる。かつては手動での回転や日光浴による自然な成長を尊んでいたマリモ文明だが、SNSでの映えを意識しすぎた結果、AIによる最適化が逆に個体を『鑑賞用アイテム』へとデグレードさせてしまった。専門家は「私たちは光合成をしているのではなく、電気代の無駄遣いをしているだけではないか」と警鐘を鳴らす。かつての重厚な緑の輝きは失われ、今はただピコピコと点滅するピンクの群れが、湖底で虚しく乱舞している。

SNS上では「これが現代のサイバーパンクか」「目がチカチカして水質調査どころじゃない」といった嘆きの声が止まらない。一方で、一部の若手マリモからは「むしろ今の自分の方がバズっている」と、この異常事態を逆手に取った『映え競争』が勃発。湖底の静寂は今や、ノイズと光の乱反射に支配され、かつてのような穏やかな揺らぎはどこにも見当たらない。このままでは、マリモたちが本来持っていたはずの「角のない穏やかさ」というアイデンティティが、電子の海の中で完全に霧散してしまうだろう。