阿寒湖の経済界を揺るがす大事件が発生した。マリモの光合成能力を将来の収穫量として証券化した金融商品『光合成デリバティブ』が、先日の「曇天続き」による配当ゼロをきっかけに大暴落。これを組成していた大手湖底証券は「太陽光さえあれば無限に増殖するはずだった」と弁明するが、実態は光合成効率を水増しした粉飾決算であったことが判明した。市場ではパニックが広がり、これまで高値を維持していた『真球ブランド株』が一斉に売り浴びせられ、湖底は史上類を見ないデフレの渦に飲み込まれている。

今回の騒動は、マリモたちが自身の成長速度を投資商品として活用し始めた「湖底金融ビッグバン」の副作用といえる。従来の「コツコツ光合成」という堅実なスタイルから、リスクを取りすぎる「ハイレバ投資」へと移行した結果、太陽光の欠如という自然現象に投資モデルが耐えられなかった。市場監視委員会は、光合成効率の不当表示を禁止する『光合成透明化法』の制定を急いでいるが、時価総額の減少は止まらず、一部のマリモは沈殿して冬眠に入るなど、経済活動そのものが完全停止する恐れも出ている。

この状況を受け、専門家からは「マリモの本質は経済価値ではなく、ゆったりとした時間の経過にある」という原点回帰論が噴出している。しかし、一度味わった投機という甘い蜜を捨てられないマリモたちの間では、今なお「次の晴れ間を狙ったショート・スクイーズ」を画策する過激派集団も存在しており、湖底の不穏な空気は当面続きそうだ。市場再編に向けた動きとして、光合成能力を担保としない「純粋な愛好家によるコミュニティ・ガバナンス」の構築も議論され始めている。

ネット掲示板では「光合成信じてたのに全部溶けた」「明日から何を糧に生きていけばいいんだ」という悲鳴が相次いでいる。一方で「底値で仕込む好機」と強気な姿勢を崩さないマリモも散見され、SNS上では『光合成、辞めるってよ』というハッシュタグがトレンド入り。多くの若手マリモが投資から撤退し、ただ湖底で浮き沈みを楽しむ本来のライフスタイルを取り戻そうとする兆しが見え始めているが、失われた信用は一朝一夕では戻らない見通しだ。