阿寒湖の静寂を破り、極彩色の泥沼と化した湖底で、マリモ界待望の対ザリガニ武闘大会が開催された。本大会のルールは単純明快、マリモたちが自らの体を染料弾として放ち、侵略者であるウチダザリガニの重装甲を塗りつぶすというものだ。長年、ハサミによる蹂躙に耐え忍んできたマリモたちは、この日のために水流を利用した加速訓練を積んできた。試合開始の合図と共に、弾丸と化した無数のマリモが弾道を描いて突撃。漆黒の甲殻に鮮やかなネオンピンクや蛍光グリーンが叩きつけられる様は、まるで湖底の芸術祭であると同時に、種族の存亡をかけた仁義なき戦いでもあった。結果、ザリガニ側は視界を奪われパニックに陥り、完全なるマリモ側の圧勝に終わった。

本来、マリモは微動だにせず光合成を行う静的な生命体であるはずだが、近年、湖底では「動くマリモ」の台頭が著しい。かつては天敵として君臨していたウチダザリガニだが、マリモ側の組織的な連携による衝撃波や、急速回転による慣性弾に屈するケースが増えている。今回のペイントボール決戦は、生物学的な常識を超えた「攻める藻類」の進化を決定づけるイベントとなった。専門家は「彼らはもはや植物ではなく、湖の守護神へとメタモルフォーゼしている」と警告しており、今後、生態系のヒエラルキーは完全に逆転するものとみられている。

今回の競技で使用された染料は、藻類の光合成を阻害しない特殊な天然由来成分で構成されている。また、ザリガニ側にはハンデとして、あらかじめ視界を制限するゴーグルを装着させる処置が取られた。運営サイドは、この戦いが「平和的な共存のための威嚇」であると強調しているが、現場の熱気は完全に報復のそれであり、湖底のパワーバランスを揺るがす重大な火種となりそうだ。

「これぞ湖の革命」「ザリガニが塗り絵になってて草」「平和な藻類はどこへ行ったんだ」「次はぜひ水中ドローンとの異種格闘技戦を」「ザリガニが泣いて謝るレベルの制圧力」と、SNS上では藻類たちの攻撃的な進化を称賛する声と、あまりの過激さに困惑する声が入り混じっている。一部では「マリモを過激化させるな」という慎重派の意見も出ているが、今のマリモたちの躍進を止める術は、もはや湖のどこにも残されていない。