阿寒湖国際司法裁判所は、マリモ連邦が隣接する水草国家『マツモ共和国』を相手取り、「過剰な光合成による日照権侵害」で提訴したと発表した。マリモ側は、マツモの無秩序な増殖により、湖底に届くべき太陽光が遮断され、連邦国民の「緑の深み」が損なわれていると主張。これに対し、マツモ共和国は「根を張る権利は生態系の基本」と反論しており、両国の間ではすでに物理的な接触による「絡まり合い」が多発している。紛争の直接的な引き金となったのは、マツモ側が領海境界線上に展開した『無限増殖カーテン』であり、マリモ連邦はこの構造物を「一方的な緑の壁」と批判。専門家は、両者の衝突が長期化すれば、水中の酸素濃度バランスが崩れ、湖全体が「茶色の悲劇」に見舞われる恐れがあると警鐘を鳴らしている。国際社会からは、早急な緩衝地帯の設定と、光合成配分率の再交渉を求める声が強まっている。

歴史的に両者は「湖の住人」として棲み分けを行ってきたが、近年の温暖化に伴う水温上昇がマツモの繁殖を異常加速させた。マリモ連邦は定住型の球体民族であり、移動には水流という公共交通機関に頼らざるを得ないが、マツモは自ら根を下ろして版図を広げる侵略的性質が強い。今回の紛争は、単なる環境問題を超え、移動の自由と定住の権利が衝突する「領土主権の戦い」へと発展した。国連水棲委員会は、両国に対し「絡まり合い解除の義務化」を検討しているが、複雑に絡み合った水草とマリモを分離することは、個体維持の観点から極めて困難とされ、解決の糸口は見えていない。

国内では、マリモの愛好家を中心に「マツモは緑の害虫」とする排斥論が過熱している一方、若年層からは「共存のためのネットワーク構築」を求めるデモも発生した。SNS上では、マツモの強靭な生命力を称賛する声や、球体としての美学を捨ててまで戦う必要があるのかを問う哲学的な問いかけも拡散されている。また、隣国である藻類連合体は「中立」を宣言しつつも、どちらの勢力が優位に立つかを見極めようと静観を続けており、マリモ連邦の孤立無援な戦いが、今後どのような形で終結を迎えるのか、世界中の水棲生物が固唾をのんで見守っている状態だ。