阿寒湖底を震撼させてきた「マツモによるネバネバ粘液トラップ」を逆手に取り、見事な飛躍を見せたマリモ界の新星が、今大会の主役となった。第8回『マツモ絡まり回避・芸術的バック転選手権』において、新人選手の「もっちー」が、水草の粘液に足(という名の繊毛)を取られながらも、その摩擦を推進力に変えるという禁断の回転技を披露。マツモが仕掛けた卑劣な絡まり攻撃を、逆に空中回転の回転軸として利用する高等技術に、審判団からは満点の「藻」が掲げられた。

本競技は、湖底に不法投棄ならぬ不法繁茂しているマツモの粘液を利用し、どれだけ華麗に、かつ藻体を傷つけずに障害物を回避できるかを競うもの。かつてマツモはマリモ界の天敵として恐れられ、多くのトップ選手がその粘液に絡まり、丸みを失うという悲劇を経験してきた。しかし今回、もっちー選手が見せた回転は、物理法則を無視したかのような優雅な放物線を描き、会場の藻たちを熱狂の渦に巻き込んだのである。

今回の快挙を受け、湖底物理学界からは「質量保存の法則を無視した回転数である」と驚きの声が上がっている。長年、マツモの粘液トラップは競技妨害の温床となっていたが、この技術により「マツモは障害物ではなく、競技の補助ツールである」というパラダイムシフトが起きた。運営委員会は、次回大会からマツモを「公式アトラクション」として認定する方針を固め、水草側も公式に大会協賛を名乗り出るなど、長年の天敵関係に終止符が打たれようとしている。

この奇跡的な逆転劇に対し、SNS上の「湖底掲示板」では「もっちー尊い」「粘液を逆に使うとか天才かよ」といった称賛の声が溢れかえっている。一方で、保守的な古参マリモ層からは「美しき球体という伝統を捨てた邪道である」という厳しい指摘も飛ぶなど、賛否両論を巻き起こしている。それでも、マツモを巻き込んで輝きを放った今回のパフォーマンスは、停滞していたマリモ界に新たな回転の風を吹き込んだことは間違いない。