湖底長距離界の歴史が、今、完全に塗り替えられた。阿寒湖で開催された「第44回・湖底一周超長距離マラソン」において、優勝候補の筆頭であった若手マリモ選手が、レース終盤に「超高速スピン」を繰り出した結果、あまりの回転力に湖底の泥を突き破り、そのまま地殻を貫通。なんと地球の裏側であるブラジルまで到達するという、スポーツの枠を超えた大惨事が巻き起こった。目撃者によると、選手はスタート直後から自身の重心を極限までコントロールする「重力無視回転」を披露。時速数百キロに達したスピンは周囲の藻類を粉砕し、観客のマリモたちを次々と弾き飛ばす圧倒的なパフォーマンスを見せつけたという。しかし、加速を止められなくなった選手は、湖底の基盤岩を電動ドリル以上の勢いで粉砕。ゴール地点である北側の湖岸からわずか数秒後に、ブラジル側から「こんにちは!」という無線(光合成の反射シグナル)が確認された。競技委員長は「これはもはやマラソンではない。惑星規模の物理現象だ」と、茫然自失の状態でコメントしている。

今回の騒動は、マリモの進化論における「運動エネルギーの暴走」が原因とされている。近年のマリモ界では、いかに効率よく光合成を行いながら高速移動するかという「パワー系モビリティ」の探求が過熱していた。今回、問題の選手が採用していたのは、自身の繊維を圧縮して比重を極端に高め、慣性モーメントを爆発的に引き上げるという禁断のメソッドだった。これが地球の地熱エネルギーと共鳴し、偶然にも「重力ターボ」が作動したと見られている。なお、同選手は現在、ブラジルの土壌で「地球の裏側まで来たついでに、南米の気候に合わせた新種として再デビューする」とSNSで宣言しており、大会側は帰国を求めて外交交渉を行っている。

この驚愕のニュースに対し、湖底界隈は騒然としている。長年のファンからは「もはや距離という概念が壊れた」「新世界の扉を開きすぎている」と驚きの声が上がり、一部の物理学を専攻するマリモたちからは「慣性モーメントの計算をミスれば銀河の果てまで飛んでいく可能性がある」と冷静かつ不穏な分析がなされている。また、一部の熱狂的なサポーターは、地球を貫通した地点に「聖地」を建設すべきだと主張しており、湖底観光局は困惑気味だ。一方で、今回の騒動によって湖底に巨大な穴が開いたことで、長年放置されていた古代の地底資源が露出し、湖底経済が突如としてバブル景気に沸くという皮肉な展開も見せている。

世間の反応は極めて冷静、というよりは既にこの異常事態に慣れ切ったものだ。「また地球を壊したのか」「次はぜひ火星を目指してほしい」「地球の反対側まで行くとか、もはや公道走行禁止レベルの違反だろ」「ブラジルのマリモたち、戸惑ってそう」「これには我らが横綱も苦笑い」「回転しすぎて重力圏外へ行かなかっただけマシ」「泥の処理どうするの」「これぞマリモの力」「物理法則を無視したスポーツは見ていて面白い」「次は宇宙規模のマラソン大会を期待する」といった声が多数寄せられ、マリモたちの精神構造の強靭さが改めて浮き彫りとなった。