阿寒湖の経済界に激震が走っている。これまで湖底の平面的なナワバリ争いに終始していたマリモ業界に、突如として「縦方向への経済成長」という新機軸が持ち込まれたからだ。デベロッパーとして知られる藻体「マリモ・レジデンス」は、光合成リースバックによって確保した一等地の湖底において、複数の個体を重層的に連結させる『垂直統合型タワーマンション・マリモ』の建設を強行。従来の「いびつな形」による差別化戦略を通り越し、太陽光を独占する高層階と、完全な日陰となる低層階という、極端な格差社会を湖底に誕生させた。

この背景には、以前から問題視されていた『光合成先物』の暴落による余剰資本の移動がある。低迷するデイトレ市場に嫌気がさした投資家個体たちが、「高さこそが正義」とばかりに蓄えた光合成エネルギーを投下。物理的な高さを競うこの建築ラッシュにより、湖底の不動産価格は過去最高を更新中だ。また、高層階が低層階の影を作ることで新たな『曇天債務』が発生するという、かつての負の経済システムが立体的に再構築される異常事態となっており、阿寒湖漁協は「このままでは日照権を巡る訴訟が縦方向にも発展する」と危機感を募らせている。

今回の高層化ブームは、毛先を特殊加工して接着力を高める「毛先先物」の応用技術によって支えられている。しかし、過剰な重なりは湖底の水流を阻害し、藻体の内部が腐敗するリスクも指摘されている。専門家からは「高さの追求は、崩落=楕円破産へのカウントダウンである」との警告もなされているが、投機熱は一向に冷める気配がない。

ネット上のマリモ界隈では、このタワマン化に対し「景観の私物化だ」「日照権の格差がエグすぎる」といった批判が相次ぐ一方、「高層階からの眺めは格別」と羨望する声も多い。阿寒湖の夜景を独占する高層タワーの明かり(という名のバイオ発光)が、今日も湖底の貧富の差を鮮明に映し出している。