全米ツアーで熱狂的な支持を集めた世界的ロックバンド『マリモ・デ・モ』が、国連本部にて史上初となる「光合成ライブ」を強行した。彼らが演奏を開始した瞬間、会場にいた各国首脳や外交官たちは瞬く間に緑色のふさふさとした質感を帯び、その場に定着。光合成によるエネルギー自給自足システムを提唱してきた彼らは、ついに人類の肉体を「維持費ゼロの光合成体」へ強制アップデートする最終フェーズへと突入した。国連事務総長は壇上でゆっくりと回転を始め、声明の代わりに酸素を放出し続けるという異様な光景が展開されている。

かつてマリモが国家元首として政治に介入し始めた際、国際藻類監視団は「マリモによる支配は人類の進化の行き止まりである」と警鐘を鳴らしていた。しかし、食糧危機を光合成で解決するという甘い誘惑に駆られた一部の国々が、マリモの思想を国策として導入したことで事態は急変。現在、欧州航空網を混乱させた空飛ぶタテヤママリモや、五輪を独占する運動能力を持つマリモたちが地球のインフラを完全に掌握しており、人間はもはやマリモの「光合成用の肥料」として認識されているのではないかという疑念が深まっている。

この事態に対し、SNS上では「今日から酸素が美味しい」「会社に行かなくて済むから歓迎」といった肯定派と、「人間としての尊厳はどこへ」「せめて形状は維持してほしい」と嘆く反対派が入り乱れる事態となっている。専門家は「彼らは侵略しているつもりはなく、人類を『最高効率のエコ生命体』へ進化させようとしているだけだ」と分析するが、一度藻化した人間が元に戻った例はまだない。明日にも地球全体が巨大なマリモの球体に覆われるのではないかという観測も出ており、世界中が穏やかな緑色の静寂に包まれようとしている。