阿寒湖の深緑界を二分する一大論争が勃発している。先日一部で話題となった『球体放棄宣言』に対し、伝統を重んじる集団が「丸こそが宇宙の真理である」として、過激な『球体保守純粋主義』を掲げたのだ。彼らは、前衛ダンスで異形を晒す若手マリモたちを「美学の崩壊」と激しく糾弾。湖底の岩場を座り込みで占拠し、あらゆる変形を拒絶する『完全真球防衛ライン』を構築した。指導者の重鎮は「我々の祖先が数千年かけて磨き上げたこの完璧なカーブこそが誇り。角が出るなど論外だ」と憤慨している。
この問題の背景には、昨今の美容ブームが関係している。かつては日光の照射量だけで形状が決まっていた彼らだが、近年では『形状記憶光合成ダイエット』や「全自動形状記憶パーマ」といった技術が浸透。丸さを極める一方で、逆に個性を求めて四角や多面体に加工する個体が急増していた。今回の抗議行動は、こうした人工的な美への反発と、自然界のアイデンティティを巡る究極の対立といえる。もはや湖底は平穏な休息の場ではなく、美意識の衝突現場と化しているのだ。
この過激な排他主義に対して、世間の反応は真っ二つだ。リベラル派からは「多様性の否定だ」との批判が相次ぐ一方で、保守層からは「ようやく真っ当な意見が出た」と称賛の声が上がっている。中には「丸いからこそ転がれるし、転がるからこそ絆が深まるのだ」という、物理学的かつ哲学的な擁護論も飛び出した。SNS上では「#真球の尊厳」というハッシュタグがトレンド入りし、若手と老害の激しい論争が夜な夜な繰り広げられている。
本件について、コラムニストの『真球騎士団』団長・モフ・モフ蔵氏はこう主張する。「我々はただの草ではない。永遠の丸を求める求道者である。昨今の風潮に流され、安易にカドを作ってどうする。真の格好良さとは、削ぎ落とされた曲線美の中にこそ宿るのだ。加工された個性など一時の流行に過ぎない。この抗議は、沈みゆく丸さの矜持を守るための最後の聖戦である」と、語気を強めた。
コラムニスト:モフ・モフ蔵
脱・円形は人類のエゴ?『球体保守純粋主義』が湖底を揺るがす
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