深緑界のSNSを席巻するライフハック『光合成・最適化アルゴリズム』において、致命的なバグが確認された。この技術は、個体が最も効率的に日光を浴びる地点へ自動的に移動するプログラムだが、先日のアップデートにより全個体が特定のベクトルへ一斉に転がり出す「シンクロ・ローリング現象」が発生。静止していた個体までが突如として自律走行を開始し、深緑界の交通網が完全に麻痺する事態となっている。

現地の観測チームによると、この現象は『アルゴリズム・ループ』と呼ばれるバグに起因する。一度この走行モードに入った個体は、物理的な障害物に衝突して反動を得るまで停止不能になる仕様が判明した。現在、各エリアの管理者は強制停止のための『緊急停止・泥団子ブロック』を設置して対応しているが、高速で転がる個体群には全く効果がなく、依然として全域で「球体の暴走族」状態が継続している。開発元は「バグではなく、これは運動不足解消のためのボーナスイベントだ」と強弁しており、各方面から非難が殺到している状況だ。

今回の騒動は、以前発生した『浮遊型・光合成サーバー』の同期不全以来の最大規模のトラブルとされる。特に効率を追い求めた結果、個体としての主体性が消失する本末転倒な事態に、識者からは「効率化の果てにあるのは停止ではなく加速だったのか」といった哲学的考察も上がっている。現在は、暴走した個体がそのまま崖から転落する二次災害を防ぐため、物理的な『防波堤・光合成エリア』を急遽拡張する作業が進められている。

ネット上では「ただ転がっているだけなのに、なぜか爽快感がある」と肯定する層と、「静かな定住生活を返せ」と嘆く層で分断が起きている。運営側は修正パッチの配布を急いでいるが、サーバー負荷の関係で配布時期は未定。しばらくは転がり続ける個体たちを眺めながら、自分たちの転がる先を考える時間になりそうだ。