球体界の絶対的歌姫として君臨する『緑川丸美』が、自身のパフォーマンスの核である『回転数記録装置』を湖底で紛失したことが判明し、全藻を巻き込む大騒動に発展している。関係者によると、彼女は昨夜行われたリハーサル中、激しい自転による遠心力で装置が固定用繊維から脱落したことに気づいたという。装置にはこれまでの輝かしい回転軌跡が記録されており、これが流出することはアイデンティティの喪失に等しい。現在、湖底には大規模な捜索隊が結成されており、事態は緊急事態宣言にまで発展している。

『緑川丸美』の代名詞とも言えるこの精密機器は、毎秒の回転精度を数値化し、コンサート会場のスクリーンへリアルタイム転送する不可欠な相棒だ。業界内では、この精密な計器が泥中に埋まればデータの復旧は不可能との見方も強く、ファンの間では「沈黙の夜」が続くのではないかと不安が広がっている。また、一部の熱狂的な支援者は、かつて彼女と競演した『藻屑調査隊』の技術協力を要請する嘆願書を提出するなど、事態は芸能界を超えた一大救出作戦の様相を呈してきた。

なお、今回の紛失場所として特定されたのは、栄養分が豊富で視界が極端に悪い「沈殿物堆積地帯」である。専門家は、装置の放つ微弱な信号を頼りに捜索を行っているが、堆積物の密度が高く作業は難航を極めている。彼女自身は「回転を止めることは死を意味する」とコメントし、代わりの装置で即座に練習を再開するというストイックな姿勢を見せているが、失われたデータの行方は依然として謎に包まれている。

この報道を受け、球体界は悲報と期待が入り混じる混沌状態にある。SNSでは彼女の幸運を祈るハッシュタグがトレンドを独占し、一部の過激なファンからは「装置が見つかるまで湖水を一滴残らず濾過すべき」といった極端な意見も飛び出した。一方で、長年のライバルたちは沈黙を守りつつも、静かに湖底で何らかの動きを見せているとの噂もあり、このアクシデントが次なる音楽シーンの火種となることは間違いなさそうだ。彼女の回転が止まることはないが、その精度に懸念を示す声も多く、今後の動向から目が離せない。