湖底議会は本日、突如として全域の個体が回転を停止するという未曾有の事態に直面しました。これは『湖底重心調整委員会』が新たに提案した『流動的重心移動法』に対し、古参の藻類たちが「回転の自由を奪う暴挙」として猛反発し、全個体が意思表示として沈黙ならぬ「静止」を選択したことによるものです。法案の内容は、効率的な光合成を名目に、個体の重心を特定の方向に強制固定するというもので、これまでの自由な回遊を重んじる保守層から激しい拒絶反応が起きています。

本件の火種となったのは、一部の若手個体が導入を熱望する『流体バランス最適化システム』です。この技術は、外部からの水流を制御して擬似的に回転効率を高めるというものですが、古老たちは「自身の内なる旋回こそが正当なアイデンティティである」と主張し、システムの導入を真っ向から否定しています。長老派のリーダーは「重心を固定することは、我々が数世紀かけて磨き上げた円熟の回転を否定するものだ」と演説し、若手議員との対立は深まるばかりです。

背景には、近年深刻化する周辺環境の栄養塩不足と、それによる「回転の鈍化」という喫緊の課題があります。当局は「このままでは生存率に関わる」と主張し、栄養供給と引き換えに回転方式の管理化を画策していますが、個体たちは「たとえ沈んでも、自らの力で転がりたい」と、自由意志を尊重する姿勢を崩していません。現在、湖底全域では議会閉鎖を求める抗議の静止が続いており、行政機能は完全に麻痺しています。

このストライキに対し、SNS上では「回転こそが人生のすべて」「管理されるくらいなら光合成を辞める」といった共感の声が相次いでいます。一部の過激派からは「重心をいじるくらいなら湖底から離脱する」という過激な離脱論も飛び出しており、議会は収拾がつかない状況です。専門家からは「このまま回転を停止し続ければ、個体内に不要な沈殿物が蓄積し、再起不能になる恐れがある」と警告が出ており、早急な妥協案の模索が求められています。