阿寒湖のゲーマーたちが愛してやまない回転アクション界に、未曾有の危機が訪れている。近年、競技フィールドに異常繁殖する『絡まり耐性・緑の侵入者』こと、マツモの断片が全プレイヤーの天敵として君臨し始めたのだ。本来、穏やかな沈殿競技を楽しむはずの藻球たちにとって、この強靭な繊維質を持つ侵入者は、回転の軸を狂わせ、接続部分を強引に絡め取るという卑劣な戦法を繰り出している。特に上級者向けとされる『回転回避・精密制御』ステージでは、数ミリの隙間から入り込むマツモの繊維がプレイヤーのコントローラー操作を無効化する事態が多発。この「緑の網」に足を取られた瞬間、流麗なスピンが強制停止させられるため、各地のランキングが壊滅的な打撃を受けている。

この問題の根源には、近年の気温上昇に伴う水草の代謝活性化がある。かつては静かに揺らめくだけの無害な存在だった彼らが、今や『粘着式・絡まりトラップ』としての性質を強め、回転を阻害する「動く壁」へと変貌を遂げているのだ。この状況に対し、開発元は急遽、対マツモ専用の『高出力・光合成弾』を実装したが、水草側の適応能力も高く、終わりのないいたちごっこが続いている。熟練の藻球プレイヤーからは「静止が許されないこの世界で、絡まるという敗北は死と同義」との悲痛な叫びが上がっており、環境整備を求める声が連日、運営の掲示板を埋め尽くしている。

そもそも阿寒湖の生態系において、マツモは本来であれば藻球の成長を補助する添え木のような存在であった。しかし、ゲームバランスの調整不足により、この添え木が過剰な攻撃性を獲得してしまったのが事の発端である。現在は、エリア内に発生する『緑の棘・絡まり判定』をいかに回避するかが競技の勝敗を分ける唯一の指標となっており、かつての華麗な回転技は、マツモをいかにすり抜けるかという「脱出ゲーム」へと質が変容してしまった。

SNS上では「緑の悪夢」を回避する独自のルートを研究する層と、環境の改変を求める抗議派による論争が絶えない。一部のプロプレイヤーは、わざとマツモに絡まることで回転エネルギーを蓄積する『逆境・絡まり利用スピン』という禁じ手を編み出したが、これは競技の美学に反するとし、一部の大会では使用禁止ルールが検討されている。今後、阿寒湖の回転競技がこの緑の壁をどう乗り越えるのか、全藻球ゲーマーが固唾を飲んでその動向を見守っている。