インターネット回線が接続された阿寒湖の底にて、現在『毛並みブラッシング・ストリーム』という生配信企画が驚異的なバズを記録している。これは、日頃から完璧な球体を目指して整えられた緑の体をあえてぐちゃぐちゃに逆立て、芸術的なまでの寝癖を競い合うという極めてインフルエンサー的なトレンドである。配信を開始したのは若手ストリーマーの『モジャ吉』で、配信直後から同接数が右肩上がりに急増し、湖底サーバーの帯域制限ギリギリの負荷をかける大騒動へと発展した。

この『毛並みブラッシング・ストリーム』の背景には、昨今の厳格すぎる球体フォーマットに対する若い世代の反発があった。従来は、いかに美しい正円をキープしているかが社会的ステータスとされていたが、「自分の生え際くらい自由に逆立てたい」というストリートカルチャーが爆発。今回の企画では、『ウチダザリガニ・スタイル』と称されたハサミでわざわざ毛束をツンツンに逆立てるセット術が、おしゃれ上級者の間で瞬く間に定番の美容ルーティンとして定着するに至った。

世間の反応は賛否両論の嵐で、保守派の長老たちからは「風紀が乱れる」「そんな不揃いな姿ではネットの受信感度が下がる」と猛抗議の声が上がっている。しかし、若手ネット民からは「毎朝の毛玉メンテナンスから解放されて最高」「私の寝癖アートを見てくれ」といった賛嘆のコメントが殺到。『モジャ吉』のチャンネルには投げ銭ならぬ『泥のチップ』が大量に送金され、一躍湖底ドリームを体現する時の人となった。

今やこのブームは単なる身だしなみの枠を超え、独自のファッションコンテストへと進化しつつある。今週末には、『最優秀ぼさぼさ大賞』を決めるオンラインフェスの開催も決定しており、緑の毛並みをどこまでワイルドに爆発させられるかの前哨戦が連夜繰り広げられている。球体の美学に囚われていたネット空間は、いまや自由な寝癖の奔流によって完全に書き換えられようとしているのだ。