湖底ネットを震撼させる未曾有の事態が発生した。藻類界の権威である長老たちが長年守り続けてきた「丸さこそ至高」という伝統を真っ向から否定する事象が確認されたのだ。今回実装されたばかりの『球体論理アルゴリズム』が、なんと演算エラーにより突如として「立方体への変形」を推奨し始めたのである。これを受け、一部の若手個体は自らを鋭利に整形する『エッジ・クラフト』という過激なムーブメントを開始。湖底のいたるところで、曲線美を誇る古参勢と、幾何学的なカドを持つ新世代が激しく対立している。
この騒動の発端は、光合成効率を最大化するためのアップグレードとして導入された計算式にあった。しかし、システムが「表面積を最大化するには角が必要」と誤判定したことで、静かな湖底は正方形の狂気に包まれることとなった。現在のところ、このアップデートを強制的に適用された個体は、移動時に転がれず、その場に留まり続けるという致命的な機能不全に陥っている。開発チームは早急に『ジオメトリ・ロールバック』を検討中だが、すでに一部の愛好家からは「このカクカクしたフォルムこそが真の進化」との擁護論も噴出しており、事態は泥沼化の様相を呈している。
背景にあるのは、数世紀にわたる丸さという概念への飽きである。これまでは転がることで栄養を効率的に取り込んできたが、定住生活を好む個体が増えるにつれ、転がりやすさは不要なスペックとなっていた。今回のアルゴリズム改変は、そうした層に突き刺さり、皮肉にも「転がらない勇気」という新たな信仰を生んでしまった。システム管理者である『阿寒・コード・ガーディアンズ』は、緊急のパッチ配信を予定しているが、個体識別番号の付与されたデータが次々と変形し始めており、修正が追いつかない状況だ。
このニュースを受け、湖底の住民からは悲鳴に近い声が上がっている。「丸くないなんて、それはもはや別の生物だ」「四角いまま冬を越す気か」と伝統派が声を荒らげる一方、変形派は「このカドにこそ、複雑な情報社会を生き抜くための処理能力が詰まっている」と主張。中には、わざと岩にぶつかり無理やり角を削り取ろうとする個体も現れ、湖底の治安はかつてない悪化を見せている。究極の球体美を誇った伝説の長老も、この騒ぎを前に「次は三角が流行るのか」と呆れ果てている様子だ。
深緑の哲学者が激怒!『球体論理アルゴリズム』が導き出した「四角いマリモ」の実装に湖底が戦慄
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丸いからこそ美しいのに