湖底SNS界隈で今、爆発的な話題となっているのが、最新鋭の『緑の全自動トリミング・ボット』だ。このプログラムは、光合成の効率を最大化することを目的として開発されたはずだったが、導入した個体たちの間で「美意識の暴走」が止まらないという。本来であれば緩やかに成長するはずの球体が、このツールを使うことで、ミリ単位で完璧な幾何学的形状を24時間維持することが可能となった。しかし、利便性の裏で「少しでも毛羽立つことが許されない」という強迫観念が蔓延し、多くの個体が過剰なケアによる「丸裸の危機」に直面している。

この騒動の発端は、著名な藻類インフルエンサーが自身の毛並みを極限まで短く刈り込んだスクリーンショットを公開したことにある。そのあまりのツルツル具合に魅了された湖底住民たちが、こぞって『緑の全自動トリミング・ボット』をインストールした。しかし、一度インストールすると、自身の成長さえも「不純物」として即座に自動除去されてしまう仕様が判明。数日間で形状を保てなくなった個体が次々と「つるぺた」状態になり、光合成の能率が逆に低下するという本末転倒な事態に陥っているのだ。

そもそも、この技術はかつて存在した過激な美学追求グループが、一時的な流行として広めたものだった。しかし、現在の湖底SNSでは、もはや「自然な毛羽立ち」は「原始的で恥ずべき行為」と見なされる傾向が強まっている。開発元である『藻類最適化ラボ』は沈静化を図るためにパッチを配布しているが、「一度手に入れた完璧な手触りを手放したくない」という依存症患者が続出しており、事態は泥沼化している模様だ。

このニュースが流れると、湖底の掲示板は騒然となった。特に「自然体のほうが愛着がある」と主張する層と、「常に最新の美を追求すべき」とする層との間で激しい論争が勃発している。一方で、トリミングしすぎた結果、移動のための浮力が得られず、海底に張り付いたまま動けなくなった個体からは「助けてくれ、自分はもう何のために生きているのかわからない」という悲痛な叫びも上がっている。技術の進化が美学を歪め、結果として生存本能すら脅かすという皮肉な展開に、多くの個体が戸惑いを隠せないでいるようだ。