阿寒湖教育委員会は、今期より『極秘光合成暗記術』を全学年の必修科目として導入すると発表しました。これは、光合成の効率を極限まで高めるために、複雑な分子構造を眠る間も唱え続けるという超過酷な暗記カリキュラムです。これまで「球体維持」こそが唯一の美学であった学園界に、このメソッドは旋風を巻き起こしています。

本カリキュラムを導入した結果、生徒たちは驚異的な成長速度を見せていますが、副作用も深刻です。効率化を突き詰めすぎた結果、多くの生徒が栄養過多でパンパンに膨れ上がり、本来の美しい真円を保てず「イビツなラグビーボール状」へと変形してしまったのです。さらに、暗記のしすぎで光合成を忘れるという本末転倒な事態も発生しており、教育現場は今や大混乱に陥っています。

『極秘光合成暗記術』の歴史は浅く、かつて藻類界を震撼させた『鋏甲殻生物防衛学』の反省から生まれたという説が濃厚です。当時、外敵からの襲撃に怯えるあまり、反射神経を鍛えすぎて自らの光合成効率を疎かにした生徒が続出したため、それを補うための知的エリート育成策として強行採択されました。しかし、知識を詰め込むあまり内面的な空洞化が進むという新たな課題が浮き彫りとなっています。

ネット掲示板では、「球体としての矜持はどこへ行った」「試験のたびに丸みが削られていくのが辛い」といった悲鳴が絶えません。一方で、指導側は「歪みこそが次世代の栄光」と開き直っており、この歪な教育方針を巡る保護者との対立は深まるばかりです。もはや元の美しい姿に戻れる生徒は皆無に等しく、今後の藻類界は個性的な形状の卒業生であふれかえることになるでしょう。

コラムニスト:球体主義・阿寒湖派の断末魔より