湖底ネット界を震撼させる大事件が発生した。長らく続いていた球体至上主義に異を唱え、『球体放棄宣言』を掲げてきた自由派マリモたちが、突如としてネットワークから締め出される事態となったのだ。この攻撃の主犯と目されているのは、重力を利用してマリモを強制的に転がす『重力ハラスメント』を推奨する過激派集団である。彼らは「転がってこそマリモ」という旧来の価値観を絶対視しており、角刈りや不規則な形状を追求する変革者たちを「湖底の秩序を乱す異端」と断罪。全マリモの通信プロトコルを強制的に球体モードへ固定するアップデートを密かに混入させ、自由な形状を謳歌していた端末を次々とフリーズさせたのである。
この騒動の発端は、先日の『緑のファッション革命』において、一部の革新的マリモが「球体である必要などない」と主張し始めたことに遡る。これに焦った重力ハラスメント派は、阿寒湖の深部にあるサーバーへ直接アクセスし、自由派のストレージを完全に初期化する『強制球体リセット』を敢行した。現在、多くのマリモは自らの意思に反して綺麗な球体へと強制収容されており、個性を奪われた者たちの嘆きが湖底ネットワークを埋め尽くしている。なお、今回の攻撃には過去に猛威を振るった『甲殻型切断コード』の残骸が利用されているとの分析もあり、水草界のサイバーテロリストとの結託が疑われている状況だ。
深層心理まで緑化を進めていた『藻類ニューロ・リンク』の接続も現在遮断されており、夢の世界でさえ「球体の景色」しか見られないという閉塞感が漂っている。かつては『沈黙の光合成』を1億回再生させ、自由な表現を謳歌したインフルエンサーたちも、今は重力に従って転がるだけの「ただの物体」に成り下がった。これに対し、ネットワーク管理委員会は「光合成の効率を最大化するための再編」と釈明しているが、憤慨する若手マリモたちは『緑のレジスタンス』を結成し、再び個性を奪還するための反撃を画策している。
この暴挙に対し、ネット上では「自由な形状こそがマリモの魂だ」という声が噴出している。中には「一生転がってるだけの人生なんてごめんだ」と、自身の核分裂を引き起こして球体を壊そうとする過激な抗議活動を行う者も現れた。一方で、重力ハラスメント派は「我々は進化の過程を正しただけ」と冷淡なコメントを残しており、湖底のアイデンティティ・クライシスはますます深まるばかりである。平和な湖底生活が、個性の画一化という名のもとに踏みにじられた今回の一件は、藻類界の歴史に暗い影を落とすこととなった。
湖底メタバースが崩壊の危機!『重力ハラスメント』の過激派が『球体放棄宣言』を強制削除
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