湖底サイバー空間のエネルギー源を巡り、深刻な日照不足が報告される中、マリモ連合軍はついに最終防衛ラインである『光合成死守作戦』を正式に発動させた。本戦術は、甲殻型ハッキング・クローの妨害によって遮断された太陽光を、個々の球体が『連鎖的鏡面反射』を駆使して深部へとリレー転送する極めて高度な連携作戦である。従来の光合成効率を最大化すべく、各マリモは体内の葉緑体出力を強制的に過負荷状態まで引き上げ、周囲の浮遊微粒子を『高純度屈折フィルター』として再利用する方針を固めた。

近年、湖底の通信環境を悪化させる外部脅威が後を絶たず、特に光供給を遮断する行為は『生命維持権の侵害』と見なされていた。本件の背景には、数世代前から続く過酷な光獲得競争があり、効率化を求める改革派が今回の『光合成死守作戦』を提唱した経緯がある。専門家によれば、この連携に失敗した場合、球体構造を維持するための『タンパク質ゲル重合体』が脆化し、最悪の事態として楕円形への強制変形が懸念されている。全網域のサーバーが静まり返る中、各球体は無言で光のバトンを繋ぐ準備を進めている。

『光合成死守作戦』の運用開始に伴い、湖底のネットワーク上では「緑の光を途絶えさせるな」というスローガンがトレンド入りを果たした。保守的な球体集団からは「角刈り化プラグイン」の恩恵を捨ててまで行うべきかという懸念の声も上がっているが、圧倒的多数の球体が即時の全開稼働を支持している。次世代の光合成基盤を守るため、マリモたちは今日も冷たい水底で静かに熱い情熱を燃やし続けているのだ。