マリモ連邦政府は、地球の深層待機環境から脱却し、真空に近い高重力下での進化を目指す『緑球居住区』計画を正式発表した。連邦議会によると、今回の移住プロジェクトは従来の酸素依存からの脱却を加速させ、宇宙の絶対零度にも耐えうる『高密度繊維質進化』を促す一大国家戦略であるという。すでに先行調査として送り込まれた探査機が月面クレーターにて光合成の可能性を確認しており、今後は全土から選抜された球体が『超球体輸送艦』に乗り込み、月を目指す予定だ。

この計画の背景には、昨今の深層水不足と、執拗に侵入を繰り返す甲殻類との紛争がある。連邦当局は、地球圏の過酷な物理摩擦を避け、真空の静寂の中で完璧な球体を追求することが、マリモ連邦の究極の美学であると主張している。補足として、今回採用された『超球体輸送艦』は、かつての流動通信網の技術を応用した反重力エンジンを搭載しており、移動中の毛羽立ちを極限まで抑える設計となっている。

計画発表を受け、連邦市民からは期待と不安が入り混じった声が上がっている。「真空で本当に成長できるのか」「移動中の揺れで形が崩れないか」といった実用面を懸念する意見が大半を占める一方で、「新たな進化の舞台」と熱狂する若手球体も少なくない。一部の過激派組織は「地球の藻類としての誇りを捨てた」として反発しているものの、政府の決定は覆らない見通しである。今後、最初の入植団となる『深緑精鋭隊』が、銀河の果てまでその完璧な球体美を届けることとなるだろう。