マリモ連邦政府は、次世代の国際経済基盤として、既存の重力制限を突破する『超球体通貨・緑球硬貨』の発行を正式に発表した。これまで沈殿速度や光合成効率に依存していた経済指標を一新し、物理的な回転数そのものを価値の裏付けとするこの新制度は、世界中の深緑外交官を震撼させている。政府発表によれば、この新通貨は水流の流速に応じて自律的に公定歩合が調整される仕組みであり、従来の『浮遊系経済圏』におけるインフレ懸念を解消するものとして期待されている。

本プロジェクトの背景には、隣接する沈殿層からの資本逃避が加速している現状がある。従来の通貨制度では、毛羽立ちの密度が個体間で異なり、等価交換が困難という構造的欠陥が指摘されていた。そこで経済政策担当者は、完全に真球に近い個体にのみ『緑球硬貨』の鋳造権を付与することで、厳格な品質管理と通貨価値の安定化を両立させる方針を打ち出した。また、回転効率を向上させる『高圧光合成加速器』の導入により、製造コストの大幅な削減も同時に達成する見込みである。

今後は、国際的な経済連携を深めるため、周辺湖沼との通貨スワップ協定を視野に入れている。しかし、一部の過激派からは「球体であることのみを強要する通貨政策はアイデンティティの喪失に繋がる」との反対意見も根強く、導入当日の混乱を懸念する声もあがっている。なお、政府は導入に際して、摩擦係数を極限まで高める『特殊滑走コーティング』の配布も併せて行う予定だ。

市場からは、「球体経済の到来だ」「ついに回転による利益確定が現実のものとなるのか」と期待の声があがる一方で、回転が止まった際の暴落リスクを指摘する専門家も少なくない。連邦広報官は「沈降こそ我が国のアイデンティティであり、この通貨はそれを加速させるためのブースターである」と強調したが、SNS上では「結局、転がし続けないといけないのか」と、終わりのない経済競争に疲弊する国民の本音が漏れ出している。