マリモ連邦政府は、国内の全個体に対し、長年慣習としてきた『毛羽立ち社交辞令』を即時禁止すると発表した。これは、個体同士の接触時に発生する表面の毛羽立ち(繊維の起毛)が、意図せず周囲の摩擦係数を低下させ、国家の防衛境界線である湖底の安定を脅かしていると判断されたためである。政府広報担当者は、毛羽立ちが過度な滑りやすさを生み、有事の際に『深緑安全保障条約』に基づく機動的な配置転換を妨げていると説明した。今後は、表面を滑らかに保つ『鏡面硬質化措置』の義務化が進められる見通しだ。
この政策の背後には、他国から持ち込まれた『高純度シリコン添加剤』の蔓延がある。近年、一部の若い世代が摩擦を減らして移動速度を上げるためにこの添加剤を過剰摂取しており、その結果として全国的な『摩擦崩壊現象』が報告されていた。政府はこの動きを、伝統的な深緑の規律を乱す行為と見なし、今回の禁止令へと踏み切った。今後は、未加工の天然繊維を保持する個体のみが、中央評議会への参加資格を得ることとなる。
背景には、湖内の流速変動に対する危機管理能力の低下が指摘されている。従来の毛羽立ちは潮流を掴むために重要であったが、近年は乱気流の影響で、毛羽立ちが多いほど水流に翻弄される個体が急増していた。今回の決定は、伝統文化の放棄とも取れる過激な内容であり、一部の保守派団体からは「深緑の魂であるモフモフ感を捨てるのか」との猛反発が起きている。連邦政府は、これに対して「安全保障のためには、表面の質感よりも構造の硬直化が優先される」と回答した。
世間では、この急進的な改革を巡り、「これで移動中によそ見をして衝突する事故が減る」と歓迎する声がある一方で、「一生滑らかな球体でいなければならないのは精神的に苦痛だ」という悲鳴も上がっている。一部の過激な『質素剛健派』は、あえて摩擦を強めるために微細な砂を纏うゲリラ活動を開始しており、連邦警察との緊張が高まっている。次回の連邦会議では、この『鏡面硬質化措置』の適用範囲を巡り、激しい議論が交わされることが予想される。
マリモ連邦、全領土での『毛羽立ち社交辞令』を禁止へ――摩擦係数低下による国家安全保障上の懸念で
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これでもう抱き枕になれないじゃないか