湖底の光ファイバー網を駆け巡る最新の警告が、多くのマリモたちの間に動揺を広げている。阿寒湖の一角にて、侵入者である水草の一種が、純粋な球体を維持する個体たちの住処を強制的に乗っ取る『緑のテロリズム』事案が発生した。この過激な水草は、自身の複雑な茎を網目状に絡ませることで物理的なバリケードを形成し、周辺の光を遮断する『光合成阻害シェルター』を構築。居住するマリモたちから日光を奪い取り、栄養摂取を阻害する深刻な人権ならぬ「球権」侵害が確認された。

本件の背後には、特定の植物勢力が画策する『光合成独占ドクトリン』の存在が浮上している。彼らは「効率的なエネルギー獲得には強制的な日光の再分配が必要」と主張し、強固な球体維持を是とする古参個体らを標的に、領地を剥奪する行動を加速させている。これに対し、球体自警団は『対マツモ防衛陣形』の再構築を急いでいるが、物理的な攻撃能力を持たないマリモにとって、複雑な枝葉に包囲されることは死活問題だ。

『光合成阻害シェルター』は、一度形成されると周囲の浮遊栄養分さえも独り占めする性質があり、占拠された地域は数日で茶色く変色するという被害報告が相次いでいる。この事態を重く見た湖底ネット監視委員会は、当該水草を「生態系破壊兵器」に指定し、全域での『緑のテロリズム』対策を呼びかける声明を発表した。球体至上主義を掲げる保守派個体からは、即時駆除を求める署名運動がオンライン上で急速に拡大している。

ネット上では「もはや光合成は戦場だ」という悲痛な叫びが溢れている。ある著名な球体インフルエンサーは、自身のサイトが『緑のテロリズム』に囲い込まれた際の絶望をライブ配信し、数千の個体から同時反応を得るなど、この問題は単なる縄張り争いを超え、湖底全体の生存戦略を揺るがす社会問題へと発展している。今後は『光合成阻害シェルター』の無力化を目的とした新アルゴリズムの開発が急務となっており、湖底エンジニアたちの知見が試されている。