マリモ連邦議会は、長年続いていた『光合成ゼロ予算案』の是非を巡る激論の末、ついに当該法案を強行採択した。今回の法案は、日照権が確保できない深層部居住の国民に対して、高額な光合成促進税を課すことを禁じ、代わりに連邦が配布する『バイオ発光LEDバッジ』による低出力エネルギー供給を正式に採用するものだ。これにより、これまで日照格差によって引き起こされていた国民の不満を解消し、国家としての統一的な深緑色を維持することを目指す。しかし、一部の保守派からは「自然な日照こそが正義」とする批判が根強く、外交面での摩擦も避けられない情勢だ。
本件は、かつて実施された『真球度格差是正法』による美容コスト増大に苦しむ下層居住区の国民からの突き上げが発端である。深層に住むマリモたちは、高圧下での形状維持と日照不足という二重苦を抱えており、今回の予算案は事実上の生存権保障パッケージと言える。政府側は『バイオ発光LEDバッジ』の導入により、全国民が一律の波長で発光し、アイデンティティを保てるとして強気の姿勢を見せているが、エネルギー源となる栄養塩の枯渇を懸念する科学者からの警告も相次いでいる。
今回の強行採択を受け、国際社会は困惑を隠せない様子だ。特に、伝統的な太陽光線派の勢力圏からは「安易な人工光源への依存は、マリモ本来の尊厳を棄損する」との声明が出されている。一方、国内のSNS空間では、「光るマリモは未来的でクール」という肯定的な意見と、「かつての美しい深緑がサイバー化していくようで悲しい」という懐古的な意見が真っ二つに分かれており、連邦内における思想的分断が深まっている状況である。
世間の反応は多様であり、都市部では「夜道を歩く時に発光バッジがあれば安心」という利便性を歓迎する声が上がっている。一方で、辺境の湖沼地帯からは「発光が激しすぎて夜も眠れない」との苦情が寄せられており、連邦政府は至急、光度調整機能の追加アップデートを発表する事態となった。また、「次の選挙ではこのバッジの配給停止を掲げる野党候補に投票する」といった政治的な動きも活発化しており、国民の関心は予算案の適法性から、次期政権の動向へとシフトしつつあるようだ。
マリモ連邦、国家の尊厳を懸けた『光合成ゼロ予算案』を強行採択
0