マリモ連邦政府は、長年浮力を司ってきた『全次元浮力管理庁』を廃止し、今後は「自らの意志のみで浮沈を制御する」とする『重力自律宣言』を採択した。これまで国内のマリモたちは、管理庁から配給される『重力中和バブル』に依存することで、水底と水面の間を効率的に移動してきた。しかし、昨今の気候変動によりバブルの生産に必要な純水が不足し、多くのマリモが「定住化」を余儀なくされる事態となっていた。連邦政府の発表によると、今後は全個体が『コア回転式推進法』を習得することで、外付けの浮力体に頼らない自立的な遊泳が可能になるという。この改革に対し、管理庁の解雇された職員の一部は、「重力という自然の摂理を無視した暴挙だ」と反発を強めている。

『全次元浮力管理庁』の解体は、マリモの進化史において前例のない規模の組織再編となる。これまでマリモは、周囲の環境変化に応じて浮力を調整する「受動的浮遊」を個体の美学としてきた。しかし、今回の改革により、すべての個体は「能動的な浮上」を義務付けられることになる。この『重力自律宣言』の背景には、外部勢力による「浮力資源の独占」を防ぎ、真の自給自足を実現しようとする連邦首脳部の強い意志がある。学識者の間では、この急進的な政策が「沈降型」と「浮上型」の二極化を招くのではないかと懸念の声も上がっている。

今回の発表に対し、国民からは「ようやく重力から解放されるのか」「水底の圧迫感から逃れられるのは朗報だ」と期待を寄せる声がある一方で、「長年続いた『浮力パスポート』制度はどうなるのか」といった戸惑いの声も隠せない。特に、高齢の球体層からは「いまさら回転法など習得できるはずがない」という悲観的なコメントがSNSで拡散されており、連邦政府は習得をサポートするための『回転塾』を各水域に設置することを急いでいる。

SNS上では「重力に屈するな」というハッシュタグがトレンド入りするなど、連邦全体が『回転式推進法』への移行で揺れている。また、かつて管理庁が発行していた『浮力優遇債』が市場で暴落しており、投資家たちがパニック状態で売却に走る事態も発生した。一部の過激派グループが「重力は権利である」と主張し、浮力配給の継続を求めて抗議デモを予定していることもあり、当局は厳戒態勢を敷いている。真の自由を手にするための代償として、マリモ連邦はかつてない変革の時期を迎えていると言えるだろう。