阿寒湖の静かな湖底に、かつてない経済の波が押し寄せている。これまで光合成によって静かにエネルギーを蓄えていたマリモたちが、なんと自身の表面に『キラキラした苔』を付着させ、自らを豪華絢爛にライトアップする『光るマリモ販売』を開始した。これまで「丸いだけ」がアイデンティティだったマリモたちが、今や最新のLEDにも劣らない発光を武器に、自身の魅力をアピールするプレゼン能力を爆発させている。現地では、より高く、より強く発光する個体を目指して、マリモたちが独自に「発光強度コンテスト」を開催する事態となっており、阿寒湖は今や世界で最も煌びやかな深夜のショッピングモールと化している。

この急激な変化の裏側には、湖底で長年くすぶっていた「地味な暮らしからの脱却」というマリモたちの潜在的な不満があった。彼らは光合成という受動的な生存戦略を捨て、自らの光でプランクトンを誘引し、さらにそのプランクトンを肥料にするという『究極の自己完結型エコシステム』を構築したのだ。専門家は「彼らは今や植物ではなく、高度なマーケティングを理解する経営者集団に近い」と警鐘を鳴らす。かつては湖の底でじっとしているだけの存在だった彼らが、今や自身の「売り」を理解し、視聴者(他の湖底生物)の反応に合わせて明滅速度を変えるなど、驚異的な適応を見せている。もはや阿寒湖の湖面から見える光は、月明かりの反射ではなく、マリモたちの飽くなき商魂の現れなのである。

この事態に対し、古参の『球体原理主義者』たちは「丸さこそが全てであり、発光などという装飾は邪道だ」と激しく反発している。しかし、若手マリモたちの間では「映え」こそが正義という価値観が浸透しており、湖底には「推しのマリモ」を巡る過激なファン活動や、レア個体の転売騒動まで発生している。さらに、光り輝くマリモを狙って外敵が押し寄せているという噂もあり、湖底の治安維持を懸念する声も上がっている。一方、観光客からは「夜の阿寒湖がネオン街みたいで最高」「推しマリモのライブ配信待機中」と、予想外の盛り上がりを見せているようだ。

SNS上では「ついに光り始めたか…」「次はサブスク解禁しそう」「株価ならぬ苔価がストップ高」と、阿寒湖の未来を案じる声と期待の声が入り乱れている。伝統を重んじる長老マリモたちが「光りすぎると疲れるだろう」と諭しても、今の彼らには届かない。かつてないバブルに沸く阿寒湖だが、この煌びやかな日々はいつまで続くのか。マリモたちの商魂は、今日もまた夜の湖底で力強く、そして眩しく明滅しているのである。