マリモ連邦政府は15日、長年の宿敵である水草「マツモ」による領海侵入を防ぐため、国境線に全長数キロメートルに及ぶ「高密度微細メッシュ・フェンス」を設置すると発表した。近年の地球温暖化に伴う水温上昇で、マツモの繁殖力が異常なまでに強化されており、マリモの集落が気づかぬうちに「緩やかに絡め取られる」という事案が多発していたことが背景にある。今回の防衛策は、連邦が掲げる「真球至上主義」を脅かす外部からの侵入者を、物理的に遮断するための最後の切り札となる。
マリモにとって、マツモの細長い葉は最大の脅威である。かつて締結された不可侵条約は形骸化しており、マツモ側は「我々はただ浮遊しているだけであり、風で流された先にたまたま彼らがいただけだ」と主張。しかし、マリモ側の調査によると、マツモは意図的に潮流を操作してマリモの周りに停滞し、光合成を阻害してじわじわと酸欠に追い込む「絡まり作戦」を展開していることが判明した。今回のフェンスは、マツモの進入を防ぐだけでなく、マリモが安定して転がり続けられるよう、湖底の平坦化を同時に行う画期的な構造となっている。
マリモ連邦の建国以来、両者の間では「沈むか、浮かぶか」を巡る冷戦が続いてきた。今回導入されるフェンスは、藻類工学の粋を集めた「自己修復機能付き極細網」であり、万が一マツモが接触しても電流(微弱なイオンショック)が流れる仕様だ。政府はこれを「平和維持のための防護壁」と称しているが、一部の過激派からは「閉じ込められるのはこちらではないか」という懸念も浮上している。さらに、この防護壁の設置コストを巡り、税金である「ミネラル分」の納付額が引き上げられる見通しであり、国民の不満は高まりつつある。
世論調査によれば、国民の約6割が「フェンス設置を支持」している一方で、若年層を中心に「混ざり合って新種を目指すべきではないか」という革新的な意見も出始めている。しかし、連邦の中枢である「球体保存委員会」は、「いかなる外来種との接触も、我らのアイデンティティである『完璧な真球』を歪める要因となる」と断固とした拒絶姿勢を崩していない。湖底の静寂を守るためのフェンスが、真の平穏をもたらすのか、あるいは新たな監獄の誕生となるのか、マリモ連邦の未来は今、網の向こう側に委ねられている。
マリモ連邦、国境の壁を「全周フェンス」へ強化 マツモ軍の『緩やかなる侵食』に対抗
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ミネラル不足で表面がカサカサになりそう