阿寒湖の静寂が、幾何学的な狂気によって破られた。現地時間今朝未明、湖底の特別天然記念物エリアにて、数千個体のマリモが一斉にその柔らかな曲線美を放棄。鋭角なエッジを持つ「正六面体」へと変貌を遂げたのだ。湖底にはこれまで見たこともない「角(かど)」が乱立しており、浮遊するプランクトンたちがその鋭利な角に衝突しては四散するという、前代未聞の惨状が繰り広げられている。マリモ界の伝統である「球体こそが至高」という美学は完全に崩壊し、湖底は今や、まるでチェス盤のコマが散乱したかのようなシュールな光景と化している。

今回の変異は、先週湖底で発生した「重力定数の一時的なゆらぎ」が原因と推測されている。生物学者の見解によれば、マリモたちは高まる湖底のプレッシャーに対し、表面積を最小化する球体から、防御力を高めるブロック状の構造へと進化を加速させたとのことだ。しかし、この四角いマリモたちは転がることができず、湖底で完全にスタックしている状態である。自治体は緊急対策として、湖底に巨大なヤスリを設置し、手作業で角を削り落とす「丸化プロジェクト」の検討を始めたが、保守派の長老マリモたちからは「この四角さこそが個性の極致」と猛反発を受けている。

世間ではこの「四角いマリモ」の登場に対し、困惑と熱狂が入り混じっている。湖底の生態系を維持する保守派からは「円満な関係が崩れた」との嘆きが聞こえる一方で、若手マリモを中心に「このシャープなフォルムこそが現代のアイコン」と崇める動きも。SNS上では、立方体マリモを積み上げてスカイツリーを模した建造物を作る動画が拡散されており、湖底には早くも「テトリス大会」のような建築ラッシュが起きているという。果たして、阿寒湖はふたたび柔らかな丸みを取り戻せるのか、それともこのまま四角いディストピアへと突き進むのか、全マリモの目が釘付けとなっている。