マリモ連邦が長年掲げてきた「真球至上主義」を放棄し、「不定形同盟」への加盟を電撃発表してから早一週間。連邦全土では、長年の回転制限や重力矯正の影響による「形状維持ストレス」が一気に爆発し、国民の体が次々と異形化する異常事態が発生している。阿寒湖特別区の発表によれば、朝起きたら角が生えていた、あるいはうっかり横に伸びて楕円形になってしまったという相談が、全世帯の8割に達したとのことだ。かつての「重力矯正」によるアンカー義務化も災いし、変形した体で固定されたまま身動きが取れなくなる「形状固定渋滞」が主要な水路で多発している。政府は緊急対策として「粘土細工による外装補強」を推奨しているが、市民からは「もはや何を信じて転がればいいのかわからない」と悲痛な叫びが上がっている。

今回の混乱の背景には、かつて連邦が強行した「重力矯正」政策と、直近の「浮上式外交」による極端な環境変化が挙げられる。長らく硬直した球体であることを強要された反動で、DNAレベルでの形状反乱が起きていると専門家は分析する。また、ウチダザリガニ軍による「触角の検閲」要求などの国際的圧力が、マリモたちの精神的安定を損ない、構造的脆さを加速させたことも否定できない。かつては『完全なる真球』こそが外交上の武器だったが、今やその美学は過去の遺物となり、連邦は「不定形」という名の混沌の渦中にある。当局は「多少のいびつさは個性の範疇」と火消しに躍起だが、国民の動揺は収まりそうにない。

世間の反応は二分されている。若年層のマリモを中心に「ついに球体の呪縛から解放された」と歓迎する声がある一方で、伝統を重んじる長老層は「これではもはやマリモではない、ただの藻の塊だ」と激怒している。SNS上では、自らの崩れた形状を誇らしげにアップする『いびつ自慢』のタグがトレンド入りする一方、鏡の前で必死に重力を利用して丸まろうとする動画も拡散されるなど、混沌極まる状況だ。また、一部の過激派組織が「不定形化こそが宇宙進出の鍵」と主張して、さらなる形状破壊を扇動しており、政府の制御能力が完全に限界を迎えていることは明らかである。