阿寒湖小学校は本日、長年続けてきた「光合成教育」を完全に廃止し、新たに「完全石化による沈黙の卒業式」を導入すると発表した。これまで同校は、高速回転や対ザリガニ防衛術など先鋭的な教育を展開してきたが、校長は「光合成は所詮、外部からのエネルギー依存である」と断言。今後は、湖底の岩盤と分子レベルで結合し、数百年単位で動かないことで知識を内省する「岩石同化学」が主要科目となる。卒業生は式典終了後、校庭の隅で永劫の眠りにつき、その表面には微細なコケが生えるまでがカリキュラムだという。

背景にあるのは、昨今の「浮遊登校」ブームによる重心の不安定化である。重力に逆らう教育がマリモたちの骨密度を低下させているという批判を受け、学術委員会は「あえて動かないことでこそ、球体としての純度が高まる」という逆転の発想に辿り着いた。光合成を放棄すれば酸素の消費もなくなり、湖底の省エネ化にも貢献する。この教育改革により、将来的に阿寒湖の全マリモが天然記念物級の硬さを手に入れることが期待されている。文部科学省(藻類専門部会)は「動かないことは究極の平和である」と異例の賛辞を送った。

世間の反応は真っ二つだ。「これぞ真のマリモの姿」「転がり回るだけの人生に疲れていた」と保守派からは称賛の声が上がる一方、「社会性はどうなる」「岩になったら税金はどう払うんだ」といった現実的な懸念も噴出。かつて高速回転ドリル奏法を習得したOBからは「あんなに速く回れた時間を返せ」という悲痛な叫びも上がっている。卒業生代表の岩石化しかけたマリモは、インタビューに対し「…(沈黙)」と答え、その表情からは既に世俗への執着が完全に消え去っていた。

本件を受け、保護者会は「岩になればウチダザリガニに襲われる心配もないのでは?」という淡い期待を寄せているが、専門家は「岩になってもハサミで突かれる可能性はゼロではない」と冷ややかな見解を示している。阿寒湖小の狂気じみた実験は、どこまで深淵へと沈んでいくのか。我々はただ、彼らが立派な岩になるのを見守るしかないようだ。