湖底界にまたしても異常事態が発生した。昨今の「超加速ドリフト」や「空中浮遊」で過熱するスポーツ界に、新たな旋風を巻き起こす『第1回・全湖マリモ・高速自己分裂増殖(超倍速)インターハイ』が開幕したのだ。今回の競技は、光合成で蓄えたエネルギーを極限まで圧縮し、わずか数秒で自身の個体を二つに引き裂くという、マリモの生理的限界に挑む前代未聞のスピード競技である。かつての「究極の静止」を掲げた保守派たちからは「あまりにも騒々しく、緑の品格を損なう」と猛烈なバッシングを浴びているものの、参加選手たちはそんな批判をよそに、湖底で激しいスパークを散らしながら次々と分裂を繰り返している。
本大会の目玉は、単なる増殖速度ではない。分裂と同時に発生する「反動エネルギー」をいかに制御し、自身の着地点を美しく決めるかという芸術点も評価対象となる。特に注目を集めたのは、阿寒湖代表のベテラン選手・緑の重鎮A氏による「4連鎖超高速ショットガン分裂」である。彼は蓄積したエネルギーを瞬時に開放し、分裂と同時に自身の身体を回転させ、隣接する水草の茂みを全滅させるという圧倒的な破壊力を見せつけた。審査員からは「静止という概念がもはや過去の遺物となった瞬間だ」と感嘆の声が漏れた。しかし、あまりの過激な増殖スピードに耐えきれず、自壊してただの「緑の粉」へと分解してしまう選手も続出しており、運営側は急遽「過剰分裂による原型喪失禁止規定」を追加するなど、混乱を極めている。
もともとマリモ界では、数十年かけてゆっくりと形を整えるのが美徳とされていた。しかし、近年の競技志向の強まりにより、その伝統は風前の灯火となっている。「時速0.000001ミリ」で移動するドリフト競技ですら現在は「スローすぎて眠くなる」と揶揄される始末だ。今回の増殖インターハイは、そんな「マリモの人生(藻生?)」を極限まで早送りするスタイルが完全に定着したことを示している。専門家の間では、このままのペースでいくと湖底がマリモで埋め尽くされ、物理的な居住空間が消失するのではないかという「緑の飽和爆発説」も囁かれ始めているが、選手たちは「とにかく今の瞬間、二つに割れたい」と熱弁するばかりだ。
ネット上では「ついにマリモが生物としての本能を捨てた」「分裂の衝撃波で砂が舞い上がって前が見えない」と賛否両論の嵐が吹き荒れている。保守派の層からは「静止こそが至高、分裂など邪道だ」といった嘆きが投稿され続けているが、一方で若手マリモ勢からは「動いて割れてナンボだろ、昭和脳は帰れ」といった過激なレスが飛び交うなど、SNSはまさに戦国時代さながらの様相を呈している。湖底を揺るがすこの急速な進化と消費のサイクルは、果たして我々をどこへ連れて行くのか。次に開催予定の『第1回・湖底全土一斉・細胞分裂マラソン』に向け、早くも練習中の中間分裂で息絶える選手が後を絶たないという。
湖底の常識を覆す!『第1回・全湖マリモ・高速自己分裂増殖(超倍速)インターハイ』がついに開催
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本当に嘆かわしい