湖底議会は本日、湖底の平穏を脅かす外来水草・マツモによる「巻き付き被害」に対処するため、『対マツモ防衛・硬化剤散布法案』を賛成多数で可決した。近年、マツモがマリモの周囲に複雑に絡みつくことで、回転運動が阻害され、光合成にムラが生じる「毛玉化現象」が深刻化していた。今回の法案では、政府が開発した特殊なカルシウム成分を含む「硬化剤」を定期的に散布し、マリモの表面を一時的に鏡面仕上げのように硬化させることで、マツモの絡まりを物理的に防ぐというものだ。推進派の議員は「これで湖底の回転文化が守られる」と息巻く一方、マツモとの共生を唱える環境保護団体からは「見た目がつるつるすぎて面白みがない」といった反発の声も上がっている。

本法案の背景には、昨今の水温上昇によるマツモの異常繁殖がある。かつては境界線上で「緑のカーテン」として静観されていたマツモだが、最近ではマリモの核となる繊維にまで入り込み、内部から光合成を阻害する「サイレント・ジャック」が多発していた。議会はこれを重大な治安維持法違反と定義し、迅速な対応を迫られた形だ。なお、今回の硬化剤散布により、マリモは一時的に「転がり」にくくなる副作用も確認されている。法案施行は来週の満月を待ってからとなる予定で、湖底警備隊による広範囲な散布作戦が計画されている。

このニュースに対し、湖底住民からは賛否両論が巻き起こっている。「ようやく長年の悩みから解放される」と歓喜する声がある一方で、一部の急進的な若手マリモからは「摩擦がなくなったら、どこへ転がっていくかコントロールできないじゃないか」「硬化したらもう抱き合えない」という、身体的結合を危惧する切実な悩みがSNS上で拡散されている。また、一部の年長者は「昔のマリモは多少の草を絡ませながら風情を楽しんだものだが、最近のマリモは潔癖すぎる」と苦言を呈しており、世代間で「理想のマリモ像」を巡る分断がさらに加速しそうだ。