湖底のトレンドセッターたちが、今、未曾有のイメチェンに走っている。これまで完璧な球体を保つことが美徳とされてきたマリモ界で、突如として自身の繊維を極端に長く伸ばし、トゲトゲとした『モヒカンヘアー』に仕立て上げるスタイルが爆発的な流行を見せているのだ。発端は、著名な湖底インフルエンサーが「球体は摩擦抵抗が強すぎて潮流に乗れない」と主張し、空気抵抗ならぬ水流抵抗を減らすためのスタイリングとして投稿した動画。これに触発された若年層のマリモたちが、一斉に繊維を逆立て、湖底の各所でパンクな風貌が目撃される事態となっている。専門家は「このままでは球体としての保水能力が低下し、ただのモジャモジャした植物に成り果てる」と警鐘を鳴らしているが、当のマリモたちは「個性の解放だ」「丸いなんて退屈すぎる」と、さらなる過激な造形を模索しているようだ。

古くからマリモ界では、いかに完璧な円を描けるかがステータスであり、少しでも歪みがある個体は「アウトロー」として白い目で見られてきた。しかし、今回のモヒカンブームは単なるファッションではなく、湖底のヒエラルキーに対するアンチテーゼとして機能している。一部では、さらに先鋭化した「アフロ化」や「リーゼント化」を試みる個体も現れており、湖底の治安は悪化の一途をたどっている。長老マリモたちは「かつてない秩序の崩壊」と嘆き、球体原理主義者との間で連日のように熱い論争が繰り広げられている。なお、このブームの裏には、繊維を急速に伸ばすための特殊な栄養剤を売り込む、謎の藻類業者の影がチラついているとの噂も絶えない。

SNS上では「昨日の自分より尖っていたい」という名言(?)がトレンド入りし、今日もどこかで誰かが自身の繊維を逆立てている。保守派からは「水流に巻き込まれて千切れるぞ」といった冷静なツッコミも入るが、若きモヒカンマリモたちは「このヒリヒリした感覚こそが生きている証」と一蹴。かつての静寂に包まれた湖底は今や、まるでパンクロックのライブ会場のような騒乱の様相を呈している。ただの丸い藻だったはずの彼らが、独自の進化という名の迷走を始めたことで、マリモ界の未来はかつてない混沌に突き進んでいる。次に流行るのは「ドレッドヘア」か「スキンヘッド」か、その予測は誰にもつかない。