湖底議会は14日、長年維持してきた天敵・ウチダザリガニとの「ハサミの不可侵条約」を一方的に破棄すると宣言した。今回の決定は、一部の過激派マリモ議員が「ザリガニのハサミによる削り出し行為は、球体としての誇りを汚す侵略である」と主張し、議場内での『鉄壁の繊維強化法案』が強行採決されたことに端を発する。従来、マリモ界は「静寂なる光合成」を旨としてきたが、政府は今回、防衛予算の倍増を決定し、全個体に「繊維の密度アップ」を義務付ける方針を固めた。湖底の治安維持局によると、国境付近ではザリガニ側の威嚇として、ハサミを空中で鳴らす「カチカチ・デモ」が頻発しており、緊張状態はピークに達している。専門家は「丸い平和」の崩壊を危惧しているが、政府高官は「我が国の球体には妥協の余地はない。必要とあらば全個体で連結し、巨大な防波堤となる」と強硬姿勢を崩していない。
歴史的にマリモとザリガニは、光合成に必要な酸素の供給と、その見返りとしての湖底清掃という奇妙な共存関係にあった。しかし、近年のザリガニ側の急激な個体数増加と、彼らの過剰なハサミ研磨音による騒音公害がマリモ住民のストレスを増大させていた。今回の条約破棄は、単なる紛争ではなく、マリモ界における「球体至上主義」と「ザリガニの暴力的な摂食文化」が激突する歴史的転換点と見なされている。政府は今後、湖底の全領域を網羅する監視システムを構築する計画だが、財源不足による「泥パック」の増税懸念も広がっており、内政面での混乱も避けられない情勢だ。
このニュースに対し、穏健派の長老マリモたちは「かつてのように転がって回避する知恵を忘れたのか」と嘆きの声を上げている。一方、若手マリモを中心に、自身の繊維をザリガニのハサミが折れるほど硬く鍛え上げる「筋トレ・ブーム」がSNSで加速。湖底の至る所で、重い石にぶつかって繊維を鍛える姿が見られるようになり、伝統的な「しなやかな緑」は影を潜めつつある。ザリガニ側もこの対抗策を「宣戦布告」と受け取っており、湖底議会の周辺では両者の衝突を恐れて多くの住民が、さらに深い深淵部へ避難する事態となっている。
湖底議会、ザリガニとの「ハサミの不可侵条約」を突如破棄――『殻の厚さ』を巡る泥沼の軍拡競争へ
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静かに光合成させてくれよ