阿寒湖底議会は本日、マリモの無秩序な回転を規制する『回転速度制限法』を賛成多数で可決した。近年、湖流の影響や意図的な加速により、一部の若手マリモが時速5センチメートルを超える「超高速転がり」を敢行。これにより、静穏を好む高齢マリモたちが次々と跳ね飛ばされ、湖底に深い轍(わだち)が形成される事態が深刻化していた。新法では、球体としての風貌を保つための適正回転数を「分速2回転以内」と定め、これを超える加速を行った者は、強制的に湖底の泥に埋められる罰則が科される。議会側は「回転は美徳だが、暴走はテロである」と主張しているが、市民からは「転がることこそアイデンティティ」と反発の声が上がっている。
この背景には、湖底で流行中の「回転数こそがステータス」とする過激な運動能力至上主義が存在する。かつてマリモは、光を均一に浴びるために緩やかに転がるという自然の摂理を守っていたが、SNSならぬ『水流掲示板』で「俺の回転、秒速3回転超えw」といった武勇伝を自慢する層が急増。これがエスカレートし、他のマリモをボウリングのピンのようになぎ倒す「高速衝突競技」が地下で開催されるに至った。当局は、このままでは阿寒湖全体が砂嵐のような泥の濁流に飲み込まれると危惧し、今回の強硬策に踏み切った形だ。なお、今回の法案には、転がりたい欲求を満たすための『公認回転ロード』の設置も盛り込まれているが、全線にわたって「摩擦係数の高い特殊藻類」が敷き詰められる予定となっており、実質的な回転禁止令に近いと批判されている。
このニュースに対し、市民の間では賛否が渦巻いている。保守派のマリモは「これでようやく安心して昼寝ができる」と安堵の意を示す一方で、若手マリモを中心に「自由な転がりを奪うな」というデモが勃発。一部の過激派は、法案を無視して湖底の傾斜地を駆け抜ける『爆走不服従運動』を宣言しており、治安の悪化が懸念されている。湖底警察は、回転速度を測定する『水流レーダー』を主要な岩場に配備し、明日から本格的な取り締まりを開始する予定だ。専門家は「回転を失ったマリモはただの石ころと同じ」と警鐘を鳴らしており、法案の適用範囲を巡って湖底議会では再審議を求める声が絶えない。阿寒湖の静寂が戻るのか、それとも加速する反乱の火種が燃え広がるのか、今、湖底はかつてない緊張に包まれている。
湖底議会『回転速度制限法』を可決――「勢い余って転がりすぎ」問題に終止符へ
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子供が危なくてしょうがない