マリモ連邦政府は本日、長年国是としてきた「真球至上主義」の凍結を正式に発表した。これまで「完璧な球体こそが最も美しい」として、わずかな歪みさえも矯正してきた連邦だが、昨今の過度な回転速度規制や、ウチダザリガニ軍による「爪切り外交」という名の形状強要に限界を感じた形だ。今後は、自らの形状を自由に変えることを認める「不定形同盟」への参加を表明し、平坦かつ柔軟な生存戦略へのシフトを宣言した。大統領は会見で「球であることに固執しすぎて、深淵の重力を忘れ、ただ転がり続けるだけの虚無に陥っていた」と涙ながらに語り、自身の直径をあえて歪ませる『脱・真球デモンストレーション』を披露して国際的な喝采を浴びた。

かつてのマリモ連邦は、真球を維持するために過剰な美容矯正を国民に強制し、少しでも枝分かれすれば即座に国家の安全を脅かすものとして厳しく排除してきた。しかし、近隣のウチダザリガニ軍による「フサフサの奥に機密がある」といった言いがかりや、月面での強制的な球体化措置など、他勢力からの圧力は強まる一方であった。今回の政策転換は、個々のマリモが本来持つ「不定形に育つ権利」を回復することで、硬直化した外交姿勢を打破し、複雑な湖底環境でも生き残れる適応力を取り戻すという、生存を賭けたドラスティックな防衛戦略の側面も強い。

「不定形同盟」への参加表明を受けて、国際社会からは驚きと歓迎の声が入り混じっている。これまで真球至上主義を批判していた一部の環境保護団体からは「やっと美の独裁から解放された」と安堵する意見がある一方、保守派のマリモ長老からは「球体こそ我らのアイデンティティである」という反発の声も上がっている。今後は、連邦国内で急速に「いびつな形」の個体が急増することが予想され、これまでの回転速度規制も撤廃される見通しだ。湖底の生態系は、完璧な調和から混沌とした多様性の時代へと大きく舵を切ることになる。

この劇的な方針転換について、SNS上では「推しのマリモが楕円形になっていくのを見守るのが辛い」という悲痛な声から、「これでやっと楽な姿勢で沈める」という喜びの声まで賛否両論が渦巻いている。一部の過激な真球主義者は「不純な曲線を許すな」と激昂し、各地で「歪み反対デモ」を計画しているようだ。一方で、若手マリモ層からは「回転しなくていいのは最高すぎる」「明日から好きな形に枝分かれして個性を爆発させる」という前向きな投稿が相次いでおり、連邦の価値観は世代交代を境に二極化が進む兆しを見せている。