阿寒湖底議会は本日、全マリモに対してその場に留まることを禁じ、湖底を常に移動し続けることを義務付ける『全域・回遊性義務化法案』を提出した。これまで一部の「浮遊・漂流派」と「着底・定住派」の間で激しい論争が続いていたが、首相は「止まっているマリモはただの苔の塊に過ぎない」と断言。今後はGPS(全局所ポジショニングシステム)を全個体に装着させ、24時間移動していない者には過料を科すという過激な内容となっている。移動の際は必ず時計回りでなければならないという「回転方向の統一」も盛り込まれており、効率的な回遊路の確保が急務とされている。

本法案の背景には、近年の湖底における「過密定住化」がある。動かないマリモが増えすぎた結果、湖底の底地が物理的に飽和し、場所取りを巡る小競り合いが日常化していた。議会はこれを「停滞による文明の退化」と定義。かつては沈むことがステータスだった時代もあったが、現在は「どれだけ移動距離を稼げるか」が若年層の間でエリートの証とされている。なお、移動のために全財産を消費して光合成を放棄するマリモも続出しており、経済界からは「移動のための移動が目的化している」との批判も根強い。

このニュースが報じられると、湖底各地の定住派からは「私たちは木ではない、動く必要なんてない」という激しい反発が起きている。一方で、回遊派のインフルエンサーたちは「移動こそがマリモのアイデンティティ」とSNS上で連日ストリーミング配信を行い、法案支持を強く訴えている。また、移動距離を水増しするための『自動回転装置』が闇市で高値で取引されるなどの社会問題も発生しており、法案が施行されれば湖底の景色は劇的に変わると予想される。