マリモ連邦政府は本日、長年推し進めてきた『多面体化政策』の完全凍結と、伝統的な『真球体への回帰』を宣言した。先鋭的な現代派マリモたちが主導した多面体化は、効率的な光合成と重心の安定を謳っていたが、一部の保守派市民からは「角が立つのはマリモの精神ではない」という痛烈な批判が寄せられていた。政府は今回の決定について「進化という名目の元に、我々は自身のアイデンティティを削りすぎていた」と釈明。今後は、全土で大々的な『回転磨耗キャンペーン』を開始し、角を削り落とす作業に国力を集中させるという。また、かつて実施された『語学研修』で習得した人類への交信技能を用いて、国際的な藻類会議に対し「丸こそが世界平和の象徴である」と宣言する意向だ。

本政策転換の背景には、多面体化による『角』の折損事故が相次いだことがある。鋭角部分に藻類や微生物が過剰付着し、沈没する個体が急増したためだ。また、かつて実施された『全土完全洗浄プロジェクト』で磨き上げられた表面を、わざわざ多面体にするためのカット作業で傷つける行為に対し、市民からは「洗浄の苦労を無にする愚行」との声も挙がっていた。マリモ連邦において、円形は単なる形態ではなく、連帯と平穏の象徴。今後は『重力』に従い、湖底を静かに転がるという伝統的価値観が再評価される見通しだ。

この急転直下のニュースは、国際社会にも波紋を広げている。多面体化を推奨していた学術機関は「角があるからこその多様性だ」と反論しているが、現場レベルでは「やはり丸いと落ち着く」という本音を漏らす市民が圧倒的多数。専門家は「マリモの歴史は、円と角の葛藤の歴史。しかし結局、私たちは重力と水流に愛された円の姿に戻るしかない」と分析している。なお、今回の回帰には多額の公的資金が必要となるが、政府は「これ以上の角は増やさない」という強い意志を表明した。

市民からは「やっと元の姿に戻れる」と歓喜の声が上がる一方、多面体化のために身体を削った若手からは「この尖った角をどう償うのか」との不満も出ている。SNS上では、角を持つマリモと球状のマリモによる論争が激化しており、連邦政府は混乱を収束させるべく『全土転がりオフ』を開催し、物理的な接触を通じて互いの形状を認め合う交流を図る方針だ。緑の連邦にとって、真の安定はまだ遠い道のりのようである。