羽田野さんが制作した『バタ・ターボ2000』は、食パンをセットすると時速120キロの勢いでバターを射出する画期的な仕組みだ。塗るという概念を根底から覆し、バターをパンに打ち込むことで時間短縮を狙ったという。試作機完成後の初起動テストでは、食パンは原型を留めず、キッチン全体がバターの海と化した。
開発の動機について羽田野さんは、「毎日5秒の作業を短縮したかった。この5秒があれば、人生でより大きな夢を見られると思った」と語る。しかし、実際にはマシンの調整と後片付けに毎日4時間を要しており、本末転倒な日常を送っている。近隣住民からは「早朝から爆発音が聞こえるが、戦争でも始まったのかと思った」との苦情が寄せられている。
マシンの最大の特徴である『ステルス・バター・ショット』機能は、なぜか食パンを正確に射抜くのではなく、周囲の壁にバターを塗りたくってしまう性質がある。壁紙は高級バターの油分で光沢を増しており、羽田野さんの自宅のキッチンは現在、謎のモダンアート空間と化している。
記者が見学に訪れた際、羽田野さんは「次はジャムに対応した改良型を作る」と息巻いていた。しかし、肝心のパン本体が射出の衝撃で粉々になる問題は解決していない。彼は現在、パンの代わりに耐久性の高いスポンジケーキを用いて実験を続けている。
今回の失敗について専門家は、「彼が求めているのは朝食の効率化ではなく、ただバターを壁に投げつけて日頃の鬱憤を晴らしたいだけではないか」と分析している。羽田野さんは今日も、バターまみれになりながら、明日の朝食に向けて全力でパンを破壊する準備に余念がない。
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