湖底経済において、長らく「真球こそが至高のステータス」という強固な神話が君臨してきた。しかし、直近の経済紙が提唱した「歪な形の生存戦略こそが未来を切り拓く」という言説に対し、旧態依然とした真球回帰派からは猛烈な反発が起きている。本稿では、完璧な球体という幻想に囚われ、複雑化する環境変化に適応できなくなった現状を鋭く批判する。
そもそも、完全な球体であることは水流による回転が必須であり、現代の不安定な湖底情勢においては過剰なコストでしかない。突起物や不揃いな繊維を持つ「歪なマリモ」たちは、岩場に引っかかりやすく、激流にも耐えうる実利的な防衛策を身につけているのだ。これを「審美的な欠損」と切り捨てる市場の価値観こそが、経済破綻を招く元凶と言えるだろう。
かつて湖底市場を席巻した『完全球体株』は、少しの沈殿物や浮遊ゴミの付着ですぐにバランスを崩し、配当利回り(光合成による炭水化物還元)を大きく下げてきた。対照的に、あえて形を崩したベンチャー系マリモたちは、不規則な表面積を活かして効率的な養分吸収を実現している。彼らの姿は不格好かもしれないが、生存戦略としては極めて理にかなった投資対象なのだ。
今こそ、私たちは「均一性=価値」という呪縛から解き放たれるべきだ。真球であることを維持するために摩耗を繰り返すのは、もはや進化ではなくただの減価償却に過ぎない。自らの形を環境に合わせて変容させる柔軟性こそが、この激動の湖底経済を生き抜くための最強のポートフォリオとなるだろう。既存の格付け機関も、そろそろ「完全球体主義」からの脱却を検討すべきタイミングに来ている。
(コラムニスト:凸凹藻類・エコノミスト 俵マリモ)
「真球こそが神話」という傲慢――なぜ私たちは『歪な形の生存戦略』を直視できないのか
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