阿寒湖の静寂を切り裂く眩い閃光が走った。去る15日、湖底の有志らが集い、光合成の効率を競う「第1回・光合成最大出力選手権」が開催された。本競技は、いかに効率よく日光を吸収し、酸素を放出できるかを競う、いわばマリモ界の筋肉番付である。優勝候補筆頭のベテラン勢が順当に準備を進める中、今大会で彗星のごとく現れた新星・直径12センチの『緑の稲妻』選手が、開始早々に規定値を大幅に上回る出力を記録。あまりの光量に、水面直下ではプランクトンが熱で気絶し、湖面には不思議な陽炎が発生する異常事態となった。大会審判団は安全を考慮し、即刻競技を中断、当該選手を「過剰光合成による環境負荷」として一時的な遮光隔離処分とした。

本大会は、冬の光量不足に備えて光合成能力を鍛えるという名目で長年準備されてきた。しかし、今回の騒動を受け、「過剰なエネルギー生産は、水質バランスを崩すテロ行為ではないか」との批判が識者から上がっている。実際、選手が発した強烈な光は、近隣の藻類たちの生体リズムを狂わせ、本来夜行性であるはずの微生物が昼寝を始めるなどの深刻な影響が出ている。マリモ界スポーツ連盟は、次回の開催において「光度制限装置」の導入を検討しており、今回の事態を「出力のインフレ化」として厳重注意勧告を下した。

現場にいた観戦者の多くは、あまりの眩しさに「直視できなかった」「焼き肉の匂いがした(気がする)」と証言している。ネット上では「エコじゃない」「もはや兵器」といった批判の声がある一方で、その圧倒的な成長スピードを支持する若手マリモ層からは「伝説の目撃者」として英雄視されている。今回の騒動を機に、光合成の競技化そのものを見直すべきという声も強まっており、今後のマリモスポーツのあり方に大きな一石を投じる形となった。なお、過剰発光した当の本人は、「光を浴びたかっただけ、何が悪いの?」と、至ってマイペースな回答を寄せている。

SNSでは「#光合成テロ」のタグがトレンド入りを果たし、今回の騒動に対する議論が白熱している。一部の過激派マリモファンは、今回の異常発光を「進化の先にある境地」と称賛しているが、保守的な古参マリモからは「静かに呼吸してこそのマリモ道」と、激しい拒絶反応が示された。湖底自治体は、光合成の出力測定技術の精度向上を急いでおり、今後は競技中の放射照度をリアルタイム監視するシステムを導入する予定だという。湖底の平穏を守るため、スポーツとしての進化と生態系保護の板挟みは、今後も続いていくことになりそうだ。